長野県内各地でクマの出没が相次ぐ中、飯山市では11月7日、住宅地に出没した場合などに猟銃を使って捕獲する「緊急銃猟」の訓練が行われました。

農地に現れた1頭の偽物のクマ。男性が軽トラックの上から銃を構えます。

訓練の担当者:
「ただ今の発砲によりクマが倒れました」

今年9月から運用が始まった「緊急銃猟」の訓練です。

全国で相次ぐクマによる人身被害。全国では11月5日までにクマに襲われて13人が死亡。県内では今年度、10件15人が被害に遭い、1人が死亡しています。

11月7日も出没が相次ぎ、大町市の大町温泉郷近くでは、午前6時半ごろに成獣とみられるクマ2頭の目撃があり、8時40分ごろにも1頭が目撃されました。

こちらは、11月5日朝に温泉郷近くで撮影された映像です。クマ1頭が田畑を歩いている様子が映っています。

温泉郷付近では、連日、クマが目撃されていて、市は、一帯に箱わなを設置し、住民に注意を呼びかけるなど警戒を続けています。

「緊急銃猟」は住宅地のような人の生活圏にクマなどが出没した際、安全が確保できているなどの条件を満たせば、市町村の判断で猟銃を発砲できる制度です。

11月7日は、環境省から委託された事業者が、市町村の担当者を前に、「緊急銃猟」の実施にむけたポイントなどを説明しました。

飯山市職員:
「安全確保が完了しているため避難等によって地域住民に弾丸が到達する恐れがない場合と判断でき、4つの条件はクリアとなります」

訓練は、住宅地に近い農地でクマが出没した想定で行われました。

発砲する周辺への立ち入りを制限すること、猟銃の使用を許可された人に腕章を渡すことなど安全確保のための手順を確認していました。

環境省の担当者:
「手順を自治体、捕獲者の方も確認することは実際に実施するときに、円滑に対応することになるので、非常に良かった」

緊急銃猟は、県内では実施はありませんが、全国で11月7日までに秋田県や富山県などで14件実施されています。

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。