福岡県北九州市で最新の地震体験車がお披露目されました。
リアルな揺れを体感できるのが特徴で、中学生がさっそく体験しました。
約80人の生徒が拍手で迎える中、北九州市八幡西区の折尾愛真中学校に到着したのは、市消防局が導入した最新の地震体験車です。
◆記者リポート
「10月末に納車されたばかりのこの車は、東日本や熊本など実際に起きた地震の揺れを再現できるのが特徴です」
縦方向と横方向の揺れを自在に組み合わせることでさまざまな揺れを再現可能で、2011年の東日本大震災や、記憶に新しい能登半島など過去に起きた地震だけでなく、南海トラフで予測される巨大地震の揺れも体験できます。
2010年以降に生まれ、震災の経験や記憶がない生徒たちは最大震度7の揺れを体感し、日ごろの心構えの大切さを実感したようでした。
◆中学3年生
「思っていたよりも震度7を体験したときは冷静じゃいられなくなって、実際に避難するとなったら難しいなと思いました」
◆中学3年生
「正直めちゃくちゃ怖かったんですけど、今回自分が体験したことを他の人に伝えていきたいなと思います」
県は10月31日、14年ぶりに見直した被害想定を発表し、北九州市を通る福智山断層帯や福岡市の警固断層帯など県内7つの活断層が震源となった場合には、いずれも最大震度7の揺れが予想されています。
◆街の人
「警固断層はすごく気になります。地震がやっぱり怖い何よりも。地震は今どこでもありそうな気がして」
◆街の人
「警固断層が一番心配ですね。(地震を)意識はしてますけど準備はしてないですね」
今後30年以内の発生確率が3パーセントを超える最も危険なSランクに分類された警固断層帯では最大1800人、福智山断層帯では最大400人の死者が出る他、多くの建物が全半壊すると予測されていて、市消防局は日頃の備えの重要性を訴えています。
◆北九州市消防局 向尾理司さん
「揺れ始めてからでは何もできないことが(地震体験車で)分かると思う。揺れが来る前、平常時に備えておくということを改めて感じてもらえたら」
地震体験車は学校や職場、地域単位での要請に応じて出動できるということで、消防局は積極的な活用を呼びかけています。
発生確率「Sクラス」警固断層帯と福智山断層帯の被害予測
県が発表した最新の被害想定の中で、今後30年以内に起こる確率が3パーセントを超える「Sクラス」に分類された2つの活断層を詳しくみていきます。
福岡市街地を通る警固断層帯では、死者が関連死を含めて2600人、負傷者は1万2000人、半壊以上の建物被害は12万1000棟、避難者は31万9000人と予測されています。
北九州市を通る福智山断層帯では、関連死を含む死者数が600人、負傷者が4800人、建物被害は5万1000棟に上り、7万9000人の避難者が予測されています。