福岡を中心に九州で展開する低価格スーパー「トライアル」の小型スーパー「トライアルGO」が東京都内に初出店ということで、7日に取材された消費経済アナリストの渡辺広明さんと見ていきます。
青井実キャスター:
取材してどう思いましたか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
食品ミニスーパーという業態なんですけど、まさに狭い商圏で勝負するコンビニとの本格的な戦いの火ぶたが切って落とされたといえるんじゃないかなと思います。
コンビニの脅威になるかもしれませんが、どんなお店なのか見ていきたいと思います。
まずオープン前の7日の様子を見てみると、オープンを待つ人の頭上に、デジタルの長い看板があります。
青井実キャスター:
トライアルGOの売りはどういったところになりますか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
やっぱりデジタルのサイネージが売りなんですね。デジタルを入れることによって、トライアルの専売特許であるコストダウンを図ることによって低価格路線が実現しているので、コンビニは定価販売じゃないですか、でもトライアルはちょっと価格を安くして販売することができるので、コンビニとの差別化が図れるんじゃないかなと思います。
店内には総菜コーナーというものがあり、トライアルの名物商品「ロースかつ重 343円(税込み)」「まかない海鮮漬け丼・並盛り 570円(税込み)」さらに、卵3個分を使用した「白いたっぷりたまごサンド 199円(税込み)」が陳列されています。
陳列されている商品数は、約1800点に上るということです。
青井実キャスター:
コンビニとの差別化はこういう総菜ですか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
総菜の量とか、日常で食べるものが置いてあって迫力がありますよね。迫力がある品数の多さで非常に購買意欲をそそるんじゃないかなと思います。
さらに、デジタル化で無駄を省いた低価格路線ということなんですが、商品棚の売れ行きなどを遠隔で管理できるデジタル技術を導入していて、商品は製造から一定時間が経過するとスーパーのように割り引きになるんですが、ここでもデジタル化でシールを貼るわけではなく、自分で商品をスキャンするとモニターに割引の値段が表示されるということなんです。
レジはセルフレジになっています。
専用のお店のアプリを事前登録すれば顔認証での決済も可能ということで、お財布とかスマホを一切持っていく必要がなくなるということです。
青井実キャスター:
デジタル化ってここまで来ているんですね。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
本当に財布とスマホがなくても買い物できるってすごくないですか、顔認証って。入り口に店頭の幕みたいなのを張っているコンビニがあるじゃないですか、あれが映像で動いていくんですよ。なので例えば天候だったり季節だったり、時間帯、催事、さらには顧客の行動パターンによって動画を変えられるんです。告知をお客さんに合わせられるのが強いと思います。
青井実キャスター:
カツ丼が安くなったら、外からでも分かるということですね。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
そうですね。カツ丼全部が安くなることはないんですけど、情報をどんどん変えていくことで、お客さまの買いやすさを促進することができるんじゃないかなと思います。
青井実キャスター:
一方で、デジタル化についていけない方はどうしましょう?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
お店って、無人店舗ではなくて人がいるので説明してもらえるんですよ。ただし、セルフレジって難しそうに感じますが、慣れると比較的簡単にできるようになるので聞きながら慣れていくことですね。それが安くなるんだったらそっちのほうがいいじゃないですか。
さらにもう1つ、大きな特徴として総菜ができたてなんです。
トライアルは、2025年7月に西友を買収しました。
トライアルGOで販売される総菜や弁当は近くの西友で作られて、それを何度も配送することで、常に新鮮な商品を並べることができるということなんです。
青井実キャスター:
他に何かメリットってあるんですか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
店内に行くと分かりますが、西友のプライベートブランドで人気のある「みなさまのお墨付き」というのが並んでいるんです。プラス、ナショナルブランドの商品ってコンビニは定価で販売されているんですけど、トライアルGOは割引販売されているので節約志向の人に合った品ぞろえになっていますよね。西友から運んでくるというのがあるじゃないですか、普通、工場で製造したのを販売するのが基本になってくるんですけど、それが近くの西友から運ばれてくるというのは出来たて感があっておいしそうですよね。
遠藤玲子キャスター:
トライアルGOの特徴として支払いに関して気になりますが、現金とオリジナルのトライアルのプリペイドカードやアプリのみということなんですけど、これは不便を感じることはないんでしょうか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
これもきっとキャッシュレス決済も入ってくると思いますが、今の時点ではお客さまに対する安さを追求しています。当然、クレジットカードを使うと手数料を払わないといけないので、それを払うんだったら安く買っていただこうという思考でやっているとは思います。でもいずれクレジットカードが入ってくるタイミングはあるのではないかなと思います。
青井実キャスター:
消費者にとっていろいろ魅力がありますが、どうしましょう。
SPキャスター・中村竜太郎氏:
物価高のこの折からするとかなり魅力を感じますし、関東の小型スーパー「まいばすけっと」とかからするとかなり手ごわい相手になると思います。
青井実キャスター:
そういう意味では、総菜に力を入れているスーパーだったりはもちろんあるわけで、コンビニだったりスーパーとの今後の戦い方、見通しってどうみますか?
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
コンビニやスーパーと戦いますが今、外食がデリバリーとかテイクアウトもやっているので、コンビニとかスーパーとか外食とかではなくて胃袋の争奪戦になるんですね。いかにおいしいものを安い価格で提供できるかって勝負なので、ここから本当に商品力の勝負になってくると思います。
青井実キャスター:
消費者としては選ぶことが多くなりましたね。
消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
選ぶ場所が多くなったのは多様化したニーズに対応しているので、いいことなんじゃないかなと思います。