宮城県仙台市を拠点に石工事業を展開していた岩崎石材工業が、10月23日付で仙台地方裁判所から特別清算開始命令を受けた。
帝国データバンクと東京商工リサーチが11月6日、相次いで公表した。
岩崎石材工業は1979年に創業。
寺院や神社の石工事、個人向けの墓石設置・リフォームなどを手がけ、国産やインド産の石材を使ったオーダーメイド墓石などで差別化を図っていた。
1997年5月期には売上高約1億5000万円を計上するなど堅調に推移していたが、近年は供養の多様化や需要減退の影響で業績が低迷していた。
2007年には川崎町に工場を新設し事業拡大を試みたが、2019年には事務所兼自宅の新築工事を委託していた事業者が破産し、前払い金が回収不能となるなど資金繰りが悪化。
借入金の負担も重なり、2020年5月期には売上高が約3100万円にまで落ち込んでいた。
このような状況を受け、2023年末ごろに事業の継続を断念。
2025年3月の株主総会で解散を決議し、今回、債務整理を目的に特別清算に踏み切った。
負債総額は2020年5月期時点で約2億5500万円にのぼる。