記録的な暑さとなった2025年の夏、エアコンをフル稼働させてしのいだ家庭も多いのではないだろうか。夏の間に蓄積したエアコンの汚れを放置すると、冬場の利用時に電気代が上昇するだけでなく、健康被害につながる恐れもあるという。
夏フル稼働したエアコン 冬にリスクが

業務用から家庭用まで年間約500台のエアコン清掃を手掛けている宮崎市の清興産業の沼口十器夫代表取締役は「年々、一般家庭や介護施設などからのエアコン清掃の依頼が増加している」と話す。
清興産業 沼口十器夫代表取締役:
(エアコンを)みなさん使われている量は多いと思う。それに比例して汚れているエアコンも多くなってきている。

宮崎県内の2025年6月から8月にかけての平均気温は27.5℃と、2024年を上回り過去最高を記録した。また、年間の真夏日も7つの観測地点で100日を超え、猛暑が続いた。
フィルターの目詰まりが消費電力上昇を招く

早瀬純哉記者:
こちらのエアコン、約1年間掃除していないものなんですが、これから中を覗いてみて、洗浄をしていきます。

この夏、ほとんどつけっぱなしにしていたエアコンのカバーを外してみると・・フィルターにほこりがびっしり。沼口さんは、「フィルターの目が詰まっていると、内部にホコリがたまりやすくなる」と指摘する。

大手家電メーカー・パナソニックの調査によると、フィルターの掃除を1年間怠ると、空気を取り込むために余計な電力を消費し、年間で約25%の消費電力増加、電気代にして1万円以上の無駄が発生する可能性があるという。
結露とホコリがカビ発生の原因に

さらに、夏の冷房使用時にはエアコン内部で結露が発生する。沼口さんは、「夏場は冷房を使うことで、中で結露水が発生する。その結露水とエアコン内部の駆動の温かさと、水分とカビが発生しやすい状況」と説明する。

パナソニックによると、カビが発生したままエアコンを使用すると、空気中にカビが漂い、呼吸器系の疾患を発症するリスクが高まるという。
エアコン洗浄で冬場の快適性と経済性を両立

清興産業では、専用薬剤を用いてエアコン内部に蓄積した汚れやカビを浮かせ、高圧洗浄機で全体を洗浄する。

清興産業 沼口十器夫代表取締役:
パッと見綺麗に見えるエアコンも洗剤かけただけでこのくらいの汚水が出てくる。

洗浄前と洗浄後で、エアコンの吹き出し口付近の温度を比較する実験を行ってみたところ、設定温度18℃、同じ風量で測定した結果、洗浄前は10℃だったものが、洗浄後は8.5℃まで低下した。
清興産業 沼口十器夫代表取締役:
風量が上がり、熱交換率も向上しているため、エアコンの吹き出し口の温度が下がる。部屋が早く冷えたり暖まったりするため、消費電力が少なく済む。カビ菌をまき散らすこともなくなり、空気環境が改善される。

これから暖房シーズンを迎える。快適な生活を送るためにも、夏の間に蓄積したエアコンの汚れをしっかりと落とすことをお勧めしたい。
(テレビ宮崎)