北海道だけでなく、全国各地で相次ぐクマの出没。

10月28日には岩手県盛岡市の中心部に出没。通勤通学の時間帯に銀行の駐車場に居座り、周辺は一時騒然となった。

その後捕獲されたが、各地でクマが大きな脅威となっている。

“クマ遭遇リスク” AIが予測

そんな中、いま話題になっているのが「クマ遭遇AI予測マップ」だ。

このマップは、AIを活用してクマとの遭遇リスクを色分けして表示するもので、上智大学の深澤研究室が開発した。

クマ被害が深刻な秋田県や岩手県盛岡市、北海道札幌市などのマップが公開されていまる。

「クマ遭遇AI予測マップ」(上智大学・深澤研究室が公開)
「クマ遭遇AI予測マップ」(上智大学・深澤研究室が公開)
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札幌市の「AI予測マップ」は―

その中から今回は、札幌市のマップを詳しく見ていく。

まずはこのマップの見方から。マップ上に点在している「○」マークは、色の濃さによってクマとの遭遇率の高さを表している。色が濃いほど遭遇リスクが高く、薄ければ低いことを示す。

そして「×」マークは、直近12ヶ月のクマの遭遇被害を表している。

札幌市のマップを見ると、南区や西区、手稲区、豊平区などの山に近いエリアで濃い色が目立っている。

一方で、中央区や東区、北区といった市街地にも、やや高い遭遇確率を示すオレンジ色のエリアが点在。これは実際に被害があったという訳ではなく、遭遇するリスクがある、ということを示している。

札幌市のクマ遭遇AI予測マップ(上智大学・深澤研究室が公開)
札幌市のクマ遭遇AI予測マップ(上智大学・深澤研究室が公開)

「出没記録」や「木の実の状況」から予測

では、このAI予測マップ、どんなデータを読み込み予測しているのだろうか。

札幌市の場合は過去4年間の出没記録、人口分布、周辺の自然環境(山林や河川との地近さ)、道路状況、木の実の豊凶状況など、さまざまな要因を組み合わせて作成されている。

こちらの「クマ遭遇AI予測マップ」は研究段階だが、開発した深澤佑介准教授は「地元の方や観光客など、土地に詳しくない方にも参考にしてもらえたら」と話している。

クマの出没は北海道だけでなく、今や全国的な問題だ。国レベルでの対策も求められる。

出没記録や人口分布などのデータを分析
出没記録や人口分布などのデータを分析
北海道文化放送
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