農水省が2026年のコメの生産量の目安について2025年より減らす方向で調整していることがわかりました。

鈴木憲和新農水相(43)になったことで、何が変わるのでしょうか。
また、価格はどうなっていくのでしょうか。

コメの流通に詳しい流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さんとお伝えします。

小泉氏から鈴木新大臣になって何が変わるのか、折笠さんの見解は「小泉前農水相と比べると生産者寄り」ということです。

まず、鈴木新大臣がどういう人なのか、元農水省の職員で小泉氏が自民党の農林部会長時代の部会長代理を務めていました。

趣味はおいしいお米探しということで、会見で鈴木大臣は「様々な価格帯のコメを消費者のニーズに応じて届けられる米政策に変えていきたい」と発言していました。

――鈴木新大臣はどのようなイメージ?生産者寄りとはどういうことか?

流通経済研究所 主席研究員・折笠俊輔さん:
小泉前大臣よりも、副大臣などをやられていたので、かなり農業には知識的に明るい方かなと。それもあり、22日の会見で断言する姿もあって、結構意志も固いのかなと思います。あとは、小泉前大臣が「消費者に向けた施策流通対策」をしていたのですが、22日の会見などを見ていると、生産者側の施策をしっかり打っていって、コメ問題に対しても「生産のところから解決していこう」という意思が感じられるので、生産者寄りかなと思います。

――農水省の職員から「進め方は江藤元大臣の時のようなイメージ」ではないかということだが?

流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さん:
「需要に応じた生産」というのは、小泉前大臣の前の施策で、ずっと続いてきたものとつながる部分なので、そこを踏まえてということでしょうね。

――「需要に応じた増産」ではなく「需要に応じた生産」とは?

流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さん:
増産ありきというわけではなく、例えば、輸出の需要が増えたらそれに合わせて増やす。というのも、増産しすぎで価格が暴落するとか、不足して価格が高騰するのを防ぐという意味で、“価格の安定”に重きを置いているという見方かなと思います。

――10月6日~12日のスーパーのコメ価格は4142円だが、コメ価格はこのまま下がって3000円台までいくのか?

流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さん:
残ってる備蓄米と、2024年産のコメは結構安く出回っているので、それも含めた価格にはなっています。新米は今多分5kg4500円とか4700円なので、このまま下がっていくというのは考えにくいかもしれないです。

――2026年の主食米の生産量が2025年よりも少ないということだが、価格はどうなる?

流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さん:
2025年に関しては、747万トンで余りそうな見通しです。余ってくると、年明け少し数百円安くなるかもしれないが、2026年の711万トンに関しては、消費量とイコールなので、ことし余っていくのを見越していくのであれば、ある程度、生産者と消費者の折り合う価格が見えてくるかなという気はします。

――今後、鈴木新大臣に期待することは?

流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さん:
「需要に合わせた生産」ということでいくと、結局、令和の米騒動の要因が“需要の見誤り”や“供給量の推定の間違い”があったので、そこを精緻にしっかりやっていかないと成立しません。また、減らしていくだけでは米産業が衰退してしまうので、増産という意味では、“需要の拡大”に力を入れていただきたいなと思います。