憧れのオレンジコートへの切符をかけて、春の高校バレー山形県代表決定戦が10月11日に開幕する。2024年に4連覇を阻まれた悔しさをバネに、「王座奪還」を目指す注目校、山形中央・男子を紹介する。

県総体制し第1シードで迎え撃つ
2年ぶり22回目の優勝を目指す山形中央高校男子バレーボール部。

2024年は決勝で山形城北に敗れ4連覇を阻まれたが、2025年は6月の県高校総体を制し、第1シードでオレンジコートを目指す。

山形中央・武田宏典監督は、「レギュラーメンバーの大部分が去年からの経験者。去年以上にいろいろなプレーが成熟してきた。チームとしてもディフェンスを含めチーム力が上がっていると思う」と話す。
攻撃的なトスワーク・パンチ力あるスパイク
チームを引っ張るのは、1年生からレギュラーで、2年生でエースを担い、現在はキャプテンを務める郷野魁星(かいせい)選手。
ボールをたたく“パンチ力”の強さが最大の武器。
2年次よりさらに決定力・エースとしての信頼感が増している。

アウトサイドヒッター178センチ・3年生・郷野魁星選手:
高さがないので吹き飛ばしたり、ブロックを壊すスパイクを練習してきた。
メンバーは3年生が多く最後の大会になるので、意地を見せて最後まで一つひとつ戦っていきたい。

同じく1年生からレギュラーで、多彩な攻撃陣を操るセッターの須貝樹(たつき)選手が司令塔。
「スパイクを決めてもらう」のではなく「自分が決めさせる!」という強気で攻撃的なトスワークが持ち味。

セッター178センチ・3年生・須貝樹選手:
おととし(2023年)自分が1年生の時はオレンジコートに立てたが、去年は立っていない。
全国に行って、そこから上位ベスト8を目指しているので、それに向けて頑張りたい。

大会最長身197センチ・父の言葉胸に挑む
さらに、コート上で“際立つ存在感”を放っているのが、大会最長身・197センチの阿部弘佑(こうすけ)選手。
手を伸ばせばまさに「壁」
相手の攻撃を削ぐブロックはもちろん、高さを生かした速攻で攻撃の幅を広げる頼れるミドルブロッカーだ。

全国高校選抜の合宿に参加するなど、全国からも熱い視線を浴びる逸材には、最後の春高にかける“特別な思い”がある。
それは、2024年8月に父・道明さんを病気で亡くし、春高に父を連れていけなかったという悔しさ。
阿部選手の身長はバスケットボールをしていた192センチの父譲り。

ミドルブロッカー197センチ・3年生・阿部弘佑選手:
身長が大きい分、注目されると誰からも言われてきた。
父が亡くなる前に「自信を持って」と何回も言われたので、父の言葉を思い出して絶対に勝ちたい。

「自分が得点源になればチームに流れが来る」
応援してくれる家族や父の分まで、全国でも勝ち切れる選手になって恩返しという面で勝ちをプレゼントしたい。
父の言葉を支えに積み上げてきた自信が、最後の春高に向かう阿部選手をさらに大きくしている。

それぞれが持つ春高への思いを結集し、2024年の悔しさを晴らす決戦の舞台へ。
山形中央が2年ぶりの歓喜をつかみに行く。
山形中央の初戦は10月11日、地区予選を勝ち抜いた山形工業と対戦する。
(さくらんぼテレビ)