岡山と香川の島々などを舞台にした現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭の秋会期が10月3日、開幕しました。今回から初めて会場に加わった香川県宇多津町ではオープニングセレモニーが行われました。

香川県宇多津町の四国水族館で行われたオープニングセレモニーには谷川町長など関係者約50人が出席しました。

3日に開幕した瀬戸芸秋会期では、丸亀市の本島や三豊市の粟島などに加え「宇多津エリア」が新たに参加しています。

(河原大記者)
「今回、新たに会場に加わった「宇多津エリア」では5人の作家の新作が私たちを迎えてくれます」

天井からつるされているのは漁に使う網。生き物が存在しない「死海」の塩で結晶化されています。作者のシガリット・ランダウさんは、「死海」に接するイスラエルの出身。「死海」で網などを結晶化させることで「理想郷」と「反理想郷」という相反する2つの世界を表現しています。

一方、西澤利高さんの作品「色のない翼の彼方」のコンセプトは、「水平線への記憶と距離」。アクリル板で作られた透明な翼と目の前に広がる海が訪れた人を想像の世界へと誘います。

(彫刻家 西澤利高さん)
「海の向こう側や未来につながっていくように制作した。透けて見える作品なので風景を作品越しに眺めてもらいたい」

浜辺に打ち寄せる波を思わせる塩で作られた無数の泡。山本基さんの作品、「時を紡ぐ」です。昭和初期の住宅に広がる光景は、時の流れや記憶が響きあい、港町、宇多津町が持つ製塩業の歴史や文化的背景を映し出します。

(アートファンは…)
「波の形など緻密に作られていてびっくり。町の歴史を今まで知らなくて、いいきっかけになった」
「島でアートが見られるのは最高」
「フェリーを乗り継いで色々な島をまわれるのが瀬戸芸の魅力」

このほかの会場でも新作が目白押しの瀬戸芸秋会期は、14の島々と沿岸部で11月9日まで開かれます。

岡山放送
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