24日、自民党総裁選に立候補した5人は日本記者クラブが主催する公開討論会に臨んだ。
ＦＮＮの世論調査では「次期総裁にふさわしい人」のトップには、高市前経済安保相、2位が小泉農水相となっている。
注目を集める2人が総裁となれば…一体、どのような「かじ取り」を行うのか？
24日放送の関西テレビ「newsランナー」には、橋下徹さんと政治ジャーナリストの青山和弘さんが出演し、2大有力候補について徹底討論！
橋下さんは「すぐに（野党）連立ができなかった石破政権と同じ」。
青山さんは「『解党的出直し』だと言って総裁選をやっているのに、全く真逆の方向に行っている。何のための総裁選挙なのか」などと指摘した。
■小泉氏が優勢も「政策のエッジを丸くしたのは残念」と橋下氏
自民党総裁選には、小泉進次郎農水相（44）、高市早苗前経済安保相（64）小林鷹之元経済安保相（50）、茂木敏充前幹事長（69）、林芳正官房長官（64）が立候補している。
吉原キャスター：世論調査では、全体的に見ても、自民支持層でも高市さん、小泉さんが上位につけているという状況です。リードしているのは現状誰なんでしょうか？
青山和弘さん：やはり議員票では小泉さんがリードなのはもう間違いないんですね。あとは、党員票でどうなるかなんですけれども、世論調査を見ても全般的には高市さんが上なんですが、自民党支持層に限ると小泉さんの方が上だということで、党員票でもリードするということになると、小泉さんがかなり上位、優勢だということがいえるんじゃないかと思いますね。
吉原キャスター：この中に割って入る人はいるのか。
青山和弘さん：いま、小泉・高市の順だと思うんですが、林芳正官房長官が、このところ安定感という意味で支持をするという人が増えていまして。もしかすると、ここに林さんが食い込んでくる可能性もあるかなというのが現状だと思います。
吉原キャスター：橋下さんはここまで総裁選どう見てますか？
橋下徹さん：選挙ですから、勝たなきゃしょうがないってのはわかるんですよ。
だから総裁にならなきゃしょうがないってのはわかるんですけども、小泉さんも高市さんも自分の持論、それもエッジの効いた持論。全部取り下げて、とにかく勝つこと、総裁になることをまず第1に考えてる。
僕の政治活動は、『この政策をやるために政治家になる。しかもこの政策は賛否両論沸き起こるようなことを選挙で決着して進めていく』のが僕の政治活動。
非常にお2人とも、主張・エッジを丸くしたのは残念です。
■「解党的出直し」掲げたのに…「何のための総裁選なのか」と青山氏
橋下徹さん：多分このまま総理・総裁お二方どちらかがなると、以前の大阪市長みたいになるんじゃないかなぁと。
吉原キャスター：以前の大阪市長というと？
橋下徹さん：僕のもうずっと前の。祭り上げられて、大阪市役所の奥の奥の奥の院のところに市長室ってあったんですよ。そこに閉じ込められて、あとはみんなこっち側のやりたい人たちが、全部物事を決めていって、祭り上げられるようなそういう風になってしまうんじゃないかなと思って残念です。
青山和弘さん：『解党的出直し』だと言ってこういう総裁選をやっているのに、全く真逆の方向にいってるんですね。党内融和とか一致団結ばかりになって、エッジの効いた政策を取り下げる。何のための総裁選なのかなって思わざるを得ないような展開になってると思います。
橋下徹さん：解党的っていうんだったら解党になるぐらいの衝撃が走るような、そういう候補者の提案と激論にならなきゃいけない。
小泉さん44歳でしょ。まだまだ何回も総裁選にチャレンジできる人生の余裕があるわけだから、44歳の何かチャレンジの仕方じゃないような気がするなぁ。56歳とか60歳ぐらいになってからこういう感じのことをやればいいのに。
■野党連携 高市氏は「時間かかる可能性」小泉氏は「ある意味現実的」と青山氏
一方で、自民党は衆参で少数与党となっていて、野党との連携が欠かせない。
高市前経済安保層は「首班指名までに連立の拡大目指す」、小泉農水相は「政策理念の一致が見える中でその先が出てくる」ということだ。
青山和弘さん：高市さんに関しては、この野党と交渉していくっていうのが、ちょっと苦手なんじゃないか。不透明じゃないかっていう声がある中で、『ちゃんとやります』ってことを主張するために、首班指名選挙、つまり総理大臣を決めるときには『ちゃんと枠組みを作ってやる』という割とオーソドックスなことを主張してるんですね。
ただこれをやるんだと時間がかかってしまう可能性がある。ただでさえ政治空白が長くなっていると言われているのに連立をちゃんと合意するっていうのは、コストはどうするのか、政策合意も含めて時間かかるんですね。
そんな中で小泉さんは、ある意味現実的なことを言ってるんですね。『政策理念の位置が見える中で、その先が出てくる』だから、やりたいんだけれどもできない場合は秋の臨時国会は連立は組まずに突っ込むことも視野に入ってるし、あえて言うとその先には支持率が高ければ、解散するってことが先に来る可能性も含まれてる言い方だと思います。
■「野党は一緒に権力を作るべき」と橋下氏
吉原キャスター：解散も含めて、小泉さんの頭の中にはあるのではないか。
橋下徹さん：そこはもし連立をやるんだったら解散はありえないですよ。だって連立組んですぐ解散したら、連立組んだ野党もボロボロになりますから。今回は、5人の候補者言ってることほとんど同じで、政策については。違いを出すとすれば、『口で言うだけじゃなくて実行しますよ』と。その実行は何かと言ったら”野党との関係”なんです。
だから僕はいま与野党ともに、昔ながらの自公過半数時代の思考から抜けきれてない。いまの段階から、もうこの候補者たちは、野党とも協議をしながら、ここと組むとは決めれなくても、野党と協議をしながら、安定的な政治ができますよってことをいまの段階で見せなきゃいけない。
吉原キャスター：吉村さんもこう言ってるんですね。『連立については選択肢として排除しない。他党の政策や公約についてどう考えるか示してもらいたい』と言っています。
橋下徹さん：示すだけじゃなくて、今度は野党もそこに入っていかないと、総裁が決まるまで見ときますよ、だったら石破政権のときと変わらないわけですよ。権力を一緒に作っていくことが、今自民党・公明党が少数与党なってるから野党も見てるだけじゃなくて。
吉原キャスター：（日本維新の会の）藤田さんはしゃしゃり出るわけには…って。
橋下徹さん：違う。しゃしゃり出るんじゃなくて、もういま自公が過半数割れしてるんだから、一緒に権力を作っていくプロセスに参加しないと。だから、公開討論のときに記者だけが質問するんじゃなくて野党党首がここに入って聞かなきゃ！そういうのを見せてくれないと国民に。
■”野党連携”よりも「総裁選で勝つ」が先立つジレンマ
青山和弘さん：非常に確かに建設的だと思うんですよ。野党と一緒にやっていく。それで野党の政策1つ1つ答えていく。ただ、結局『自民党総裁選で勝たなきゃいけない』ということは先に立っちゃうので、やはり党内で受けること。それが先に来ちゃうと、どうしても野党との連携はその次ということになって、結局時間がかかってしまうということになりかねない。
そうすると、ガソリン暫定税率廃止だって年内にやるんだったら、一定程度早く臨時国会開かないといけないんですよ。これもいっぱいテーマ残ってますからね。
なのでその辺のジレンマが、今回の総裁選を非常に苦しいものにしているということは言えると思います。
橋下徹さん：すぐに連立ができなかった石破政権と同じですよ。何のために石破さんを引きずりおろしたのかってことになっちゃいますけどね。
開票日は10月4日。
「野党連携」がカギを握るのか、今後も論戦は続いていく。
（関西テレビ「newsランナー」2025年9月24日放送）
