有名シェフの鳥羽周作さんの会社が運営する長野県小谷村の古民家レストランが、9月末で営業を終了します。古民家は村が所有していて、飲食店として活用するため新たな指定管理者を募ることにしています。
■1億2000万円かけ改修した店が閉業へ
小谷村沓掛地区にあるかやぶき屋根の立派な古民家。2023年オープンした「レストランNAGANO」です。
9月3日の村議会で、このレストランに関し、ある報告がされました。
小谷村・中村義明村長:
「9月末の指定管理期間満了をもって辞めたい旨の申し出がありました」
2023年、オープンしたレストラン。古民家は、築140年以上の家を村が取得し、約1億2000万円かけて飲食店向けに改修しました。
■有名シェフ鳥羽周作さんが監修
指定管理契約を結んだのが有名シェフの鳥羽周作さんが代表を務める「sio」です。メニューも鳥羽さんが監修。
オープン当初は、ランチタイムに3000円の鮭定食、ディナータイムに2万円から3万円のコース料理を提供していました。
■8月に契約更新しない申し出
村によりますと、2025年春の時点では、指定管理契約の継続の意思が伝えられていましたが、8月になり、更新しないとの申し出があったということです。
その後、村と運営会社で協議を重ね、契約満了となる9月末での営業終了が決まったということです。
小谷村・中村義明村長:
「村の食材や文化を一生懸命勉強して発信してくれたと認識。お互いに調整してきたが、従業員の居住の課題、村内での働き手が見つからなかったこと。前向きに議論を重ねてきたが、解消には至たらなかった」
「sio」はホームページで、「旅の目的地となるようなレストランを目指し、さまざまな業態にチャレンジを続けてまいりました。私たちを温かく迎えてくださった村の皆さま、NAGANOへお越しくださったお客さまに心より感謝いたします。」とコメントしています。
レストランは現在、新規の予約は受け付けていないということです。
■住民「何か中途半端だった」
村民はー
住民:
「何か中途半端だったね、結局は続かなかった。高級志向でわれわれが気楽に、ちょっとご飯食べ行くかと食堂に行く感じでは行けなかった」
「残念だと思います。すてきだし、ここからだと歩いて行けるので。ただ値段が、もう少しリーズナブルなら行けるかなと思う。もったいない、すてきなもの(古民家)を何にこれからするのか」
■村は新たな指定管理者を募集へ
話題を集めながらもわずか2年で閉業が決まった古民家レストラン。建物は今後、どうなるのでしょうか。
小谷村・中村義明村長:
「継続にならない点は残念に思う。(今後は)飲食店という形で引き続きやっていただける形になればいい」
村は、新たな指定管理者を募り、2026年度をめどに飲食店として活用していきたいとしています。