マクドナルドのハッピーセットをめぐるポケモンカードの転売騒動は社会問題となりました。マクドナルド以外でもユニクロの商品や万博グッズなど各地で同様の事例が相次ぎ、企業が対策を迫られる状況となっています。
■ポケモンカード転売騒動…高額取引や買い占めも横行
マクドナルドのハッピーセットについてくるポケモンカードの悪質な転売行為が問題になりました。フリマサイトでは、高額での転売が相次ぎ10万円を超える利益を得たという転売ヤーもいました。
九州在住の転売ヤー:
「友人使って70~80セットは買ったと思います。批判する時間があったら自分で買う努力をした方がいいと思います。買えなかったから批判するのはどうかと思う」
名古屋の“ういろ”や“きしめん”でも問題となっていて、定価を大きく上回る価格で取引されるケースも出ています。

一連の動きを受けて、マクドナルドは8月26日に公式サイトで「8月29日(金)開始を予定しておりましたハッピーセットのキャンペーンの実施を見送ります」と報告しました。
当初予定していた2つのキャンペーンのうち、ハッピーセット「ワンピースカード」を取りやめ、ほんのハッピーセット「シナモロールとあそぼう!」を9月12日に延期。期間中にハッピーセット購入者には、過去のキャンペーンのおもちゃ等を提供することを明らかにしました。
■「子どもに届く仕組みを」…保護者からも残念の声
これらの発表があった3日後の8月29日の朝、名古屋市内のマクドナルド3店舗を取材しましたが、人はまばらで大きな混乱は見受けられませんでした。

しかし、店に来て目当てのおもちゃがないことを知りハッピーセットの購入をやめた人もいました。今回のマクドナルドの対策について話を聞くと。
客:
「悲しい」
別の客:
「(子どもが)ポケモンカード欲しかったが、初日に売り切れて買えなかったので残念がっていました。子どもの欲しいもの届くようにしていただけたら」
■万博マスコット・ミャクミャクも被害「転売しないで~」
転売騒動はマクドナルドだけではありません。大阪・関西万博のマスコットキャラクター・ミャクミャクが泣いています。8月12日に「公式ライセンス商品」の公式アカウントがXに「転売しないで~」と投稿しました。

万博の広報によると、ミャクミャクの様々なグッズがなかなか買えないという声が多くあるといいます。対策として、転売を禁止する注意喚起をしたり、一部商品は個数制限をしているということですが、なかなか転売は無くならないと話します。

ユニクロの人気商品も転売されていました。人気キャラクターのラブブなどとコラボした女性用Tシャツ4種類と子ども向けスウェットシャツ3種類が8月25日に発売されましたが、発売直後からネットではアクセス困難となり、当日中にほぼ完売。

そしてその日のうちに、フリマサイトに出品されていました。中には、1着1500円のTシャツが4種類セットで7万8000円と高値で販売されていました。

そこでユニクロでは対策として、9月1日から7日までオンライン限定で、点数制限および受注販売を実施するとのことです。
■鬼滅コラボで工夫…牛角が導入した“特別な仕組み”
“転売騒動”を未然に防いだ事例もあります。アニメ「鬼滅の刃」とコラボし限定のアクリルスタンドを販売している焼き肉チェーン「牛角」は、その販売方法を一工夫しました。

アクリルスタンドを購入できる専用のセットメニューを注文します。そして会計時にレジで牛角のアプリ(会員証)を提示すると、1週間以内に購入用ページのURLとシリアルコードが届き、購入手続きに進めます。商品は完全受注生産となっていて、購入後2~3カ月で手元に届きます。

牛角によると、希望者全員が定価で手に入る環境を整えたことで混乱は起きていないとし、必要以上に注文する人も見当たらずフードロス対策にもつながっていると話します。
転売を防ぐには、牛角のような事例は対策の一つとして考えられるかもしれません。