サンマやサケなどの海の幸、ジャガイモやタマネギなどの野菜。
食べ物がおいしい秋を迎えているが、北海道を襲った猛暑と雨不足が食卓に影響を及ぼしそうだ。
数年の不漁から一転 サンマが連日豊漁
「サンマの表面、脂が乗っているのと新鮮なのとで、キラキラに輝いています。ではいただきます。信じられないぐらい脂が乗っています」(板橋未悠アナウンサー)

北海道の秋を代表する海の幸、サンマ。
ここ数年の不漁から一転、2025年は連日のように豊漁が続き、サイズも140グラム以上の大ぶりのものが多く出回っている。

浜の吉報は店頭価格にも反映されていた。
こちらの鮮魚店では、200グラム級の特大サイズが1匹399円に。
「去年の価格に比べたらこの大きさ(約200グラム)だと半値ぐらい安い。食べ応えはあるので、塩焼きにしてもいいし、お刺身にしてもすごい脂が乗っているんで、めちゃめちゃおいしいです。やっとサンマが戻ってきたっていう感じ」(北の貴辰・大将 阿部貴史さん)

秋サケは来遊量減少で“不漁”見込み
一方、北海道各地で水揚げが始まった秋サケ。

日高地方での初水揚げは好調でしたが、2025年のサケの来遊量は2024年から4割減る
と予測されている。
「(サケの)価格は高騰していくんじゃないか。一切れ単価にしたら1~2割高い」(阿部さん)
さらに、不漁となれば、筋子やイクラなどの価格も上がるとみられている。

猛暑と雨不足 野菜にも影響
日本一のジャガイモ生産地、十勝。
帯広市の農家、前多幹夫さんだ。
加工用のジャガイモを育てる畑を訪れると、ある異変が起きていた。
「いつもだと、もうちょっと大きくなって、玉数もついているんですが。今年は小さくて玉数が少ないので、収穫量が落ちているのが現実です。普段は、これより1.2~1.3倍大きい」(前多幹夫さん)

北海道の6月から8月の夏の気温は、平年より3.7℃も高く、これまでの暑さの記録を大幅に更新。
この暑さに加え、帯広市は6月と7月は雨も少なく、ジャガイモが大きく育っていない、という。
「例年ですと、収穫は大変喜びを感じる作業ですが、ここまで北海道や十勝の気候が変わってくると、今後の不安のほうがものすごく大きい。2~3割くらいは収穫量が落ちているんじゃないかっていう話はこの地域で伺ってます」(前多さん)

札幌市内の青果店。
猛暑と雨不足は野菜の価格にどんな影響があるのか。
「取れるものも取れなくなっていたので(価格は)ちょっと上がっていく。(価格が上がりそうな野菜は)ジャガイモ・タマネギ・ニンジン・トマト・キュウリ・ピーマンですかね」(八百丸光星店 山本恭平店長)

この店では現在ジャガイモが6個ほど入りを約130円で販売しているが、小ぶりなものが多いと言う。
収穫が本格化していくと例年なら安くなるが、今後30円~50円ほど値上げする可能性もあるという。

暮らしへの影響は大きい
「そりゃないわ。道産なんだから安くなってほしい。庶民の大事なおかずだし」(買い物客)
「カレーとか作るのが大変になる。1週間に1回は作っていたんですけども、コメも今高いからそんなに(作れない)」(買い物客)
食欲をそそる秋の味覚だが、暮らしへの影響ははかりしれない。
