長崎県内の最低賃金が初の1000円台か―。長崎県内の最低賃金について審議会は2日、過去最大となる78円を引き上げ、時給1031円とするよう長崎労働局に答申した。
「最低賃金1031円」賛成多数で可決
長崎地方最低賃金審議会には、学識経験者や労使の代表など約20人が出席した。

5回にわたって専門部会で審議を続けてきたが労使で意見がまとまらず、2日は公益委員による見解が示された。

長崎県内の消費者物価指数の上昇や地域間格差の是正など経済事情を総合的に判断し、過去最大となる78円を引き上げ、最低賃金を1031円とする答申案が出された。
賛成多数で可決され、審議会は長崎労働局に答申した。
使用者側は強く反対 採決前に退席
労働者代表委員で連合長崎の岩永 洋一事務局長は「最低賃金近傍で働いている人は経済的に厳しい状況だっただろうと思うので、消費に回るだろうと思っている」と話した。

一方、事業者などの使用者側は強い反対の意思を示し、採決の前に退席した。
使用者代表委員の峯下 隆久さんは「事業の存続について考える事業者も出てくるのではと危惧している」と語った。
異議がなければ新最低賃金は12月1日から
最低賃金は、国の諮問機関「中央最低賃金審議会」が引き上げの目安を示している。

目安を参考に各地の最低賃金審議会で審議を重ね、結論をまとめて答申し、各都道府県の労働局長が決定する。
国は2020年代に最低賃金の全国平均を1500円とする目標を掲げているが、使用者側からは「助成金の拡充や価格転嫁についての一般消費者の理解を民間に委ねるのではなく、行政もリードしてほしい」などと訴えている。

新しい最低賃金は異議の申し出が9月17日までになかった場合、2025年12月1日からの適用される。
(テレビ長崎)