もうすぐ8月も終わりですが暑い日が続いています。しかし、少しずつ秋の気配も感じられるようになってきました。
オミナエシ、キキョウ、クズ、ススキ、ナデシコ、ハギ、フジバカマ。これらは、万葉集で歌われる秋を代表する花で「秋の七草」です。
村田光広気象予報士がこの秋の七草を見に、大野市にある福井県自然保護センターへ行ってきました。
まず、センターの大宮正太郎さんが案内してくれたのは、キキョウが咲いている場所です。
「青色のきれいな花で、7月から8月にかけて咲きます。キキョウは、県のレッドデータブックという絶滅危惧種を集めた本の中で、県域絶滅危惧種1類という最も絶滅の恐れがあるというものに指定されています。自生地はもうほとんどなくなり、こういう風に見られるのは、これぐらいかなと思います」
続いて案内してくれたのは、明るい黄色い花を咲かせるオミナエシ。こちらも県域絶滅危惧種1類に指定されています。
村田光広気象予報士:
「暑さの影響はないですか」
福井県自然保護センター・大宮正太郎さん:
「そうですね。今年の梅雨は雨が少なく心配だったのですが、暑さに負けずぐんぐんと成長して、見頃となっています」
植物の成長は、日の長さが関係しているといいます。
「8月を過ぎて夕方は暗くなるのが早くなってきたので、確実に季節は進んでると思います」(大宮さん)
環境の変化が花にもたらす影響については―
福井県自然保護センター・大宮正太郎さん:
「暑さで花を訪れる昆虫たちの動きにちょっと変化があるのかなと思いますね。例えば、いまは蜂がたくさん飛んでいますが、もっとたくさん、甲虫という小さな虫、固い虫、あとは蝶もたくさん飛んでくるのですが、きょうは暑すぎるのか、数が少ないなという印象を受けますね」
村田光広気象予報士:
「しかし、暑さの中でもこうやって花が咲くと、やはり季節が進んでいると感じます」
実際に大野市の気温を見てみると、6月、7月は平年よりもかなり高く、観測開始以来最高の気温となりました。8月も、26日までの平均気温が平年よりも高く記録的な猛暑になっています。
ただ、花が咲くのに関係が深いのは、気温よりも光だということです。日の入りと昼間の時間を下至の頃と比べ手見ると、日の入りの時刻は45分早くなり、昼間の時間が1時間30分ほど短くなっています。暗くなる時間が早くなることで、植物は季節の変化を認識しているのです。
植物は日照時間の変化を敏感に感じ取って、花を咲かせたり葉を落としているのです。