国内の城の天守では最も古い部類に入る丸岡城について、坂井市は26日、2025年12月から丸岡城としては初めてとなる耐震化を目的とした大規模な修理工事に入ると発表しました。期間は約2年に及び、この間は足場などで天守の外観が見られなくなるため、市は足場の周囲を天守をプリントした特殊な幕で覆う対策を取ります。
坂井市の丸岡城は、1576年に織田信長の重臣・柴田勝家の甥「柴田勝豊」によって築城され、全国に現存する12の天守の一つとして国の重要文化財に指定。年間10万人以上が訪れる県内有数の観光地ともなっています。
26日は坂井市の池田禎孝市長が定例会見に臨み、丸岡城天守の耐震化を目的とした修理工事入りを発表しました。
丸岡城天守は、国が進める耐震化診断で、見学者の安全が確保できるように補強すべきと判定され、1948年(昭和23年)の福井地震で倒壊し再建されて以降、初めての耐震化工事となります。
工事は2025年12月から2027年11月まで行われ、一般的には基礎や柱の補強、屋根瓦、壁の修理などが行われるとみられます。
約2年間の工事期間には内部の見学はできますが、天守は足場で覆われ外からは見えなくなります。そのため、市は天守の周囲にある足場を外観をプリントした幕で覆う計画を示しました。
池田市長は「工事幕にラッピングをして丸岡城の景観を見せていきたい。また合わせて工事の様子を貴重な映像記録として残していきたい」と話しました。
関係者しか見ることができない床下の解体作業や瓦の葺き替えといった工事の様子を映像で記録し、公開する計画が進められています。
丸岡城で初となる天守の耐震化工事は、観光と文化財の保存を両立させながら進められます。