部員による暴力行為が発覚し夏の甲子園を途中辞退した広陵高校が、中井哲之監督を交代させると発表しました。
広陵高校は複数の野球部員による暴力行為をめぐり、日本高校野球連盟から「厳重注意」を受けていたと甲子園の大会中に公表し、その後SNSで別の事案も拡散され部と学校への誹謗中傷が相次いでいました。
広陵高校の21日朝の発表によりますと、野球部の中井哲之監督と息子の中井惇一部長を交代させるということです。
また野球部員全員にアンケートを実施し、暴力などの問題がないことを確認し23日に開幕する2026年春の選抜大会につながる秋の県大会には、新しい監督と部長で出場するとしています。
夏の甲子園を途中で出場辞退した広陵高校ですが、新たに中井哲之監督と息子の中井惇一部長の交代が発表されました。
改めて、経緯を振り返りたいと思います。
2025年1月に2年生部員4人が1年生部員に対して胸や頬をたたくなどの暴力行為があり、野球部が日本高野連から厳重注意を受けていました。
そして夏の甲子園の大会中に、別の暴力事案として2024年、当時の部員が監督らから暴力を受けたとする情報がSNSで拡散し、8月10日に広陵高校は出場辞退となりました。
そこから10日余り経った21日、中井監督らの交代が発表されました。
なぜこのタイミングとなったのか、スポーツライターの小林信也さんは「秋の県大会に臨むために新しい体制にする必要があった。ただ、学校側の発表に辞任や解任の言葉がないため、あくまで調査期間中は外れ、その結果、問題がなければ戻るのではないか。だから交代という言い方をしているのではないか」という指摘をされていました。
更に秋の県大会の出場の判断については、「1・2年生については暴力事案がなかったという前提で、秋の大会に出場となっているわけですが、どのように調査したのか説明がないと当事者や世間は納得しないのではないか」とも指摘をされていました。
青井実キャスター:
野球部全員にアンケートを実施したということですが、1・2年生は試合に出たいのでアンケートに、ちゃんと答えきれるのかとか…。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
正直に答えているというふうに私は信じたいんですけどでも、大会に出たいという気持ちが強ければ何かあったとなれば、出ることができなくなりますからね。その辺はどうなのかなという感じがしますね。
青井実キャスター:
第三者委員会という方法もあるかもしれませんが…。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
一番最初に振り返って考えてみると問題が起きた時、最初に学校側で初動で的確に対応していれば、雪だるま式にいろいろと問題が広がらなかった気がするんですが。やっぱり初動、最初が大切だなという気がしますけどね。
青井実キャスター:
今、高校野球が盛り上がっていますが、高校野球って一体何なのか。教育的意義なのか社会的意義なのか、そういったところも含めて考えなければと。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
我々、見る側もそれを問われているような気がしましたね。どういうふうに見ればいいのか。
まさに、見ている我々も一緒に考えていかなければいけない問題です。