県内は7月の降水量が平年の1割程度と極端に雨の少ない状態が続いていて山鹿市にある山あいの集落では住民たちが連日雨乞い太鼓をたたいています。少雨の影響が徐々に深刻さを増す中、待望の雨が7日から降りそうです。ただ降り方によっては警報級の大雨となる恐れもあり注意が必要です。毎年、6月中旬に田植えを終える山鹿市鹿北町にある迫地区です。

約20軒の生産者がコメを作っています。

今年は、早い梅雨明けに加え台風の接近や夕立もなく7月の降水量は平年の1割ほどにとどまりました。

【井手 正観カメラマン】
「こちらの地域を流れる河川では少雨の影響で川底が露になっています」

この集落では、地区を流れる芋生川の水を農業用水として使用していますが、4日に降った雨ではわずかに水位が回復した程度で稲作に必要な水は全く足りていないということです。

「ひょうたん年かい雨年かい井手口取ったらコメ採ろばい」

水不足を解消しようと住民たちは地域に伝わる「雨乞い太鼓」を8月に入って毎晩たたいています。

5日目となった5日夜も住民たちが太鼓の音に合わせて踊り雨が降るのを祈りました。

「降ってもらわんと困る人間の方の体力がもたん自然には勝たんけん」

【踊り手の女性】
「明日がどうかなって期待してます」
「雨が降らんと田んぼが乾いて
ヒビが入ると水が溜まらんごつなるけん」

【迫地区雨乞い太鼓保存会 白木 斎 会長(68)】
「今、水が無いと穂の生育が悪くなるけん今が一番必要です。きのう雨が降ってくれたけんきょうも降ってくれったら叩かんでよかったけどきのうの雨だと何日しかもたんけん神頼みですね」

雨乞い太鼓の保存会は「伝統芸能の継承のため毎月欠かさず練習してきたが実際に雨が降るのを願ってたたくのは梅雨入りが遅かった2019年以来だ」と話しています。

その願いが天に通じたのでしょうか。

朝鮮半島付近にある低気圧から伸びる前線が7日、九州付近に南下しその後、停滞する見込みです。

前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため大気の状態が非常に不安定となっています。

県内は、7日の朝から8日の午前中にかけて局地的に雷を伴い非常に激しい雨や激しい雨が降り大雨となる恐れがります。

予想される24時間の降水量は多いところで7日と8日夕方までが120ミリ
土曜日の夕方までが100ミリとなっています。

これまでの少雨から一転して警報級の大雨となる可能性もありますので十分注意してください。

テレビ熊本
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