長野県上田市の夫婦がスーパーで購入したユウガオを自宅でみそ汁にして食べたところ、吐き気などの症状を訴えた。保健所は「苦味の強いユウガオ」を食べたことによる食中毒と断定した。県は「強い苦みを感じた場合は絶対に食べないで」と呼びかけている。

食べて1時間後に吐き気などの症状

ユウガオを食べて体調不良になったのは、上田市で同居する70代の男性と60代の女性の夫婦。

長野県上田保健所によると、7月31日午前10時20分頃、2人から「ユウガオを調理して食べたところ、強い苦味を感じ、体調不良になった」と連絡があった。

苦みのあるユウガオ(提供:長野県)
苦みのあるユウガオ(提供:長野県)
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2人は7月29日に「A・コープファーマーズうえだ店」でユウガオを購入し、31日午前7時30分頃にみそ汁にして食べたところ、強い苦味を感じ、約1時間後に吐き気などの症状が出た。この症状はユウガオの苦味成分、ククルビタシン類による症状と一致していて、受診した医療機関の医師から食中毒の届け出があり、保健所は「苦味の強いユウガオ」を原因する食中毒と断定したという。

2人はともに快方に向かっているという。

販売したスーパーでは自主回収

ユウガオを販売していた「A・コープファーマーズうえだ店」では、7月18日から31日に販売していた379本のユウガオを自主回収している。

ユウガオ(提供:環境保全研究所)
ユウガオ(提供:環境保全研究所)

保健所は、「『A・コープファーマーズうえだ店』でユウガオを購入し、まだ残品がある場合は絶対食べずに返品すること。ユウガオに苦味を感じた場合は絶対に食べずに廃棄すること。苦味のあるユウガオを食べて体調不良となった場合は医療機関を受診すること」を呼びかけている。

ククルビタシン類による食中毒とは?

県によると、ククルビタシン類は観賞用のウリ科植物(ヒョウタンなど)に含まれる苦味成分で、ごくまれに、食用のウリ科植物(ユウガオなど)に高濃度のククルビタシン類が含まれている場合がある。

ユウガオ(提供:環境保全研究所)
ユウガオ(提供:環境保全研究所)

食べて数分から数時間で唇のしびれ、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状を起こすため、食べてみて強い苦みがある場合は食べないで廃棄するよう呼びかけている。

県によると、長野県内で「苦みのあるユウガオ」による食中毒は過去5年に2件、4人が症状を訴えた。

(長野放送)

長野放送
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