コメの価格高騰が続く中、長野県産米の安定供給に向けた取り組みを検討する会議が31日、長野市で開かれました。生産者からは財政的な支援や、適正な販売価格の実現を求める声が聞かれました。
県・田中達也 産業政策監:
「安定生産、安定供給、価格形成も含めて、あるべき姿、方向性について、より良い答えを生み出していきたい」
長野市で開かれた県産米の安定供給に向けた検討会議。県内の生産者や流通業者など17団体が参加し、最初に県から販売価格の現状や2025年の生産の見通しについて説明がありました。
県によりますと、6月時点のコメの小売り価格(5キロ)は、長野市で4441円、松本市で4684円で、2024年の同じ時期の倍前後になっています。
需要が高まる中、生産者は作付を増やしていて、2025年は前年より6200トン多い18万6000トンの収穫を見込んでいます。増加が見込まれるのは5年ぶりだということです。
その後の意見交換は非公開で行われ、「県産米の県内への流通を増やすこと」や、「再生産可能なコメの価格について消費者に理解を促すこと」などを求める意見が出たということです。
出席した生産者からは、生産コストの高騰に対する財政的な支援や、適正な販売価格の実現を求める声が聞かれました。
信州水田農業経営者会議・永井進会長:
「5年、10年先の農政をどうしていくのか、国は早めに示すべき。(コメ5キロの適正価格は)2500円前後くらいが一般客からすると手に取りやすい価格帯になってくる。生産者からすると3000円くらいあるといいんじゃないかという声が多い」
県は、会議で出た意見を踏まえて、今後、必要な支援策などを国に要望する方針です。