大分市の入札を巡り当時の市議会議員など2人が起訴された入札妨害事件の初公判が31日行われました。

法廷に姿を見せた元市議など2人はいずれも起訴内容を全面的に認めました。

この事件は大分市の除草業務委託の指名競争入札を巡り当時、市議会議員だった山本卓矢被告45歳と、造園業者の社長だった広瀬幸一被告85歳が公契約関係競売入札妨害の罪で起訴されたものです。

起訴状などによりますと山本被告は広瀬被告などと共謀し、2024年4月から5月にかけて市の職員から秘密事項である入札の予定価格17件を聞き、業者側に伝え2024年5月の指名競争入札2件を落札させたとされています。

31日大分地裁で行われた初公判で2人は起訴内容を全面的に認めました。

その後冒頭陳述で検察側は当時市議だった山本被告の犯行の動機について次のように指摘しました。

◆検察官
「山本被告は2023年の市議会議員補欠選挙で広瀬被告から支援を受け市の職員から予定価格を聞き出すことを依頼されるようになった。山本被告も次の選挙での当選が難しいことから稙田地区で影響力を持つ広瀬被告の支援を受けたいと考え依頼に応じた」。

さらに検察側は「山本被告から市の職員に予定価格を教えるよう求めた。市の職員は議員からの要求で断りづらいなどと考え予定価格が書かれた一覧表を渡した」などと指摘しました。

また広瀬被告は、被告人質問で「10年ほど前から議員を経由して予定価格を聞き出していた」と述べました。検察は広瀬被告に対して懲役1年を求刑しました。

山本被告の論告求刑公判は9月に行われます。

また、この事件では大分市の職員2人が秘密事項である予定価格を山本被告に伝えた疑いで書類送検されています。

足立市長は31日行われた定例会見で今回の事件を受け今週から内部調査を始めたことを明らかにしました。

◆足立大分市長
「議員からの要望で(市の職員が)入札予定価格を漏洩したそれがいつごろからなのか、私が聞いている範囲では10年よりももっと長いと言う人もいる。かなり広範囲にわたって調査が行われる予定」

市は今回の事件で業務委託を行っていた公園緑地課を中心に関係部署の職員から聞き取りを行い秋ごろまでに内部調査の結果を取りまとめたいとしています。

テレビ大分
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