新潟市が能登半島地震の被災地で実施する液状化対策について、地下水位を下げることで液状化を抑制する「地下水位低下工法」を採用する方針が決まりました。

【新潟市宅地等耐震化対応・対策検討会議 大塚悟座長】
「検討のひと区切りとしたいと考えています。ぜひ忌憚のないご意見をいただき順調に進めさせていただければありがたい」

新潟市役所で開かれたのは、去年の能登半島地震で被害が発生した液状化への対策を検討する会議です。

能登半島地震により新潟市では一部地域で地盤の沈下や隆起などの液状化被害を確認。

この液状化被害は同じ場所で繰り返す性質があるため、新潟市は街区ごとに液状化対策工事を実施すべく、それぞれの地区で地質調査を行いました。

工法として検討されてきたのは、地下水を抜き、液状化しにくい地層を増やす地下水位低下工法と、セメントなどの改良材で柱状の壁を作って液状化しやすい地盤を囲い込む格子状地中壁工法の2つですが…

【基礎地盤コンサルタンツ 前宗孝設計副統括部長】

「いずれも地下水位低下工法で、工法としては有効である。一方、格子状地中壁工法に関しては適用はいずれも困難である」

30日の会議では、地質調査の結果なども踏まえ、調査会社が専門家に検討結果を説明。

各地区で地下水位を最大3m程度低下させることで効果を期待できるほか、工事による地盤沈下量も小さいことなどが報告されました。

この報告を受け検討会議は、地下水位低下工法を採用する方針を決定。

ただ、工事を行うことで実際に地下水位が低下するかなど課題も残されていることから、実証実験などを通して地下水位低下工法が本当に適切なのか確かめていく必要があることも確認しました。

【新潟市宅地等耐震化対応・対策検討会議 大塚悟座長】
「実証実験というのも必要がございますので、そういったものが今後必要であるということを、住民のみなさまにもご理解いただきたい」

新潟市はこの日の結果を踏まえ、8月2日から順次地元住民を対象にした説明会を開催します。

NST新潟総合テレビ
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