7月30日の午前8時25分にカムチャツカ半島付近で起きたマグニチュード8.7の地震の影響で、岩手県には午後6時50分時点で津波警報が出されています。
久慈港では今回の地震で、国内で最も高い津波が観測されています。
30日午前8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近で地震が発生しました。
地震の規模を示すマグニチュードは8.7と推定され、県内では盛岡で震度1を観測しました。
この地震に伴い、岩手県沿岸には30日午前8時37分に津波注意報が出され、午前9時40分に津波警報に引き上げられました。津波警報は午後6時50分現在も継続中です。
これまでに県内で観測された津波の最大波は、久慈港で国内で最も高い1m30cm(午後1時52分)、釜石(午後2時13分)と宮古(午後3時8分)で50cm、大船渡で40cm(午後4時23分)でした。
この影響で県内では沿岸部の12市町村全てに避難指示が出され、対象は5万3396人(午後2時時点)に上っています。
県は災害対策本部を設置し情報収集にあたっていて、それによりますと、午後5時時点で被害の情報は確認されていないということです。
午後4時に、県は沿岸部12市町村に「災害救助法」の適用を決定しました。
津波警報の発表を受け、沿岸部の12市町村には一時合わせて113の避難所が開設されました。
今回、国内で最も高い津波が観測されている久慈市では、市の総合福祉センターに午後1時の時点で約130人が避難しました。
駐車場では、車の中で過ごす人のために職員が「中に水・食料あります」と書かれた段ボールを掲げて誘導していました。
避難した人
「びっくりした。14年前のときのこと(東日本大震災)を思い出して、早く早くと思って、こっちに向かった」
「暗くなるまでに、(津波警報が)解除にならないかと思っていた」
陸前高田市内の避難所では、14年前の東日本大震災を思い出したという人もいました。
避難した人
「(避難は)津波警報に変わってすぐ。あまりいい気分ではない。(東日本大震災を)思い出してしまう」
宮古市の磯鶏小学校では、避難所は本来体育館に開設しますが、夏休み期間ということもあり熱中症対策も兼ねて冷房の効いた教室が避難所となりました。
避難した人
「サイレンの音も嫌だし、(防災無線の)放送も嫌だし、何かあっても嫌だし、絶対(安全)ということはないから」
交通機関にも影響が出ています。
三陸鉄道では全線で運転見合わせ、JRでは八戸線・釜石線・山田線・大船渡線で運休と区間運休が発生しています。
三陸沿岸道路は県内7つのインターチェンジで車両の乗り降りができないよう規制が行われ、沿岸部を通る国道45号線も一部が通行止めとなっています。
また、県内18の海水浴場では津波警報を受け全てが閉鎖されています。
気象庁は、「津波は繰り返し襲ってくるおそれがある」として、警報が解除されるまでは海岸付近には近づかず、避難を継続するよう呼び掛けています。