熊本市電の運転士など乗務員の正規雇用化をめぐる議論です。
市交通局は29日『任期付職員』として雇用する案を明らかにしました。
熊本市の大西市長は7月、市電乗務員を来年4月から正規雇用化する方針を表明し、現在その詳細について検討を進めています。
【市交通局総務課長(29日の市議会特別委員会)】
「いったん交通局の任期付職員として採用したい」
任期付職員は最長5年の範囲で雇用するもので、休暇や福利厚生は任期の定めのない正規職員と同じとしています。
29日の市議会・特別委員会で市交通局は、任期の定めのない正規職員とするのが難しい理由として、現在、安全の立て直しを優先し市電の『上下分離』の議論が中断していることを挙げました。
市交通局は、この先『上下分離』が決定した場合、任期の定めのない正規職員であれば「公務員を辞職し、公社へ転籍することになるが、その同意が得られない場合、分限免職の必要が生じる」などリスクがあると説明。任期付職員とした方が公社化が決まった際の転籍がスムーズで、上下分離しない場合でも改めて「任期の定めのない職員」としての採用は可能としました。
【山内 勝志 委員】
「唐突感がある。任期付きはやりやすいのだろうが、身を投じる側からすると5年後どうなるのかあいまいなら不誠実だ」
【伊藤 和仁 委員】
「受ける側の不安がぬぐえない」
【市交通局総務課長】
「無期雇用を目指していることに変わりはないが現時点で無期雇用にするのが難しい。市電再生プロジェクトで検討を進め目指すべき無期雇用の常勤職員を見据えて検討したい」
市交通局は、次回委員会で任期付職員の期間や、乗務員以外の対象範囲などについて検討し報告する見通しです。