全国的に深刻化しているウニによる磯焼け問題を考えようと、富山県と石川県の高校生が連携し、課題解決に向けたアイデアを出し合いました。
海の日のこの日、氷見市の女良漁港には、ライフジャケットをつけた高校生の姿がありました。
彼らが行っているのは、ムラサキウニの駆除。
氷見高校海洋科学科では、ウニが海藻を食べつくし、海の底が砂漠のようになる「磯焼け」を解決しようと、生徒たちが定期的に浅瀬にいるウニを回収し、陸上の施設で養殖する活動を4年前から行っています。
この日は、滑川高校、新川高校、それに石川県の七尾高校も活動に参加。
17人の高校生が、磯焼けの実態を学びながら、岸壁や波消しブロックに生息するウニの駆除を体験しました。
この日集めたウニは、バケツ6杯分。
これらのウニを県栽培漁業センターの養殖用の生け簀に運びます。
*氷見高校3年 久保京哉さん
「駆除したウニに週に2回ほどエサをあげて、約2カ月半ぐらいで出荷しています。」
ウニのエサに使うのは、規格外などで廃棄される野菜。
今年は、南砺市のワイナリーからブドウの搾りかすを提供してもらい、味の違いを確かめています。
ワークショップでは、朝日町で駆除したウニを使った缶詰を開発した新川高校やウニの殻を炭にして肥料にした七尾高校の取り組みなどを紹介。
そして、4つの班にわかれて、駆除したウニの活用法や海の環境を守るためにできることを話し合い、アイデアを発表しました。
*滑川高校生
「ウニの殻の主成分が炭酸カルシウムなので、チョークにしてはどうかという意見が出ました」
*七尾高校生
「海が抱える問題を知ってもらうためにカードゲームなどのアクティビティを考えました。」
それぞれの学校で課題解決に取り組む高校生たちが想いを共有し、地域を越えて連携することで、未来の海を守るヒントが見つかったようです。
*滑川高校2年 関山海さん
「磯焼けの状態を見たことがなかったので180度変わった。他の学校と手を組んで、ウニの缶詰を作ることかできたらいいと思う。」
*氷見高校3年 大嶋陽斗さん
「この活動が次の代にも進んでいくので、自分が大人になったとき全国に広まり、磯焼けが解決していればいい」