タイのプムタム首相代行とカンボジアのフン・マネット首相は、日本時間の28日午後4時からマレーシアの首都クアラルンプールで停戦に向けた協議を行う予定になっています。
協議には仲介国としてアメリカと中国も参加しているものとみられます。
ただ、28日も戦闘は続いていて、双方が住宅や寺院が被害を受けたと非難し合う中、停戦で合意できるかが焦点です。
軍事衝突が始まった24日以降、両国の民間人や兵士30人以上が死亡し、およそ27万人が避難しています。
軍事衝突が続いているタイ東北部スリン県の避難所から田中剛記者が中継でお伝えします。
ここは国境からおよそ60キロ離れていて多くの市民らが避難生活を送っています。
本格的な軍事衝突から5日目となるなか国境地帯では、きょうも戦闘が続いています。
避難所に来た38歳の男性は「停戦して早く終わってほしい」と話し、42歳の女性も「戦争はやめてほしい、家に帰りたい」と話していました。
タイ側では、13万人以上が避難していて、国境付近に民間人はおらず、ゴーストタウンのようになっています。
一方、カンボジア側でも13万人以上が避難生活を送っているほか、約20万人のカンボジアの労働者がタイから帰国していて一部の国境の街では、多くの人であふれています。
米中が仲介する中、協議の行方が注目されていますが、長年にわたる国境問題は根深く、一旦停戦したとしても根本的な解決に向かうかは不透明です。