昨シーズン、北海道日本ハムファイターズを退団し、現役を引退した加藤豪将さん(30)。現在はメジャーリーグのトロント・ブルージェイズで、選手のデータなどを分析する「アナリスト」として、第2の野球人生を歩んでいます。日米でプレーした経験を持つ加藤さんに、新天地での仕事、ブルージェイズを選んだ意外な理由、そして去年結婚されたプライベートを聞きました。
「勝った時の喜びは選手以上」データ分析のプロが感じるやりがい
現在はメジャーリーグ・オペレーション部門のアナリストとして働く加藤さん。
「チームの作戦決定、相手チームのスカウティング(調査・分析)、選手育成などをデータで支える仕事です」
チームの遠征にも帯同しながら、忙しい日々を送っています。去年まで現役だったこともあり、練習のサポートもしています。
現役との違いは?
「選手時代は良いパフォーマンスができなくても、良い準備ができたら満足感がありました。今は勝ち負けがすべてです。勝った時の喜びは、選手以上」
スタッフとしての新たなやりがいを感じているようです。
「ブルージェイズにはそれがなかった」加藤さんが感じた新天地の魅力
日米の野球を経験した加藤さんには引退後、多くのオファーがあったといいます。その中でブルージェイズを選んだ理由をたずねると――。
「メジャーデビューしたチームで、当時のチームメイトもいて溶け込みやすいと思いました。ドラフトやトレードのミーティングにも参加させてもらっています。いろいろなことに挑戦できる環境だったのは大きかったですね」
そして、加藤さんの強みといえるのがアメリカ出身のバイリンガルで、日米の文化を理解していること。その点に注目したオファーもあったといいます。
「日本とアメリカの架け橋になってほしいというオファーも来ましたが、ネイティブスピーカーということだけを評価してくれただけだと思いました」
それだけでは大きな魅力を感じなかったと本音を語ります。
「ブルージェイズにはそれがありませんでした。自分の知らない仕事をしたくてアナリストの道を選びました」
加藤さんはこれまでの経験にとらわれず、新たな挑戦を決意したのです。
「若い選手が活躍しているのがうれしい」快進撃続くファイターズを応援
加藤さんが昨シーズンまで所属していたファイターズは、前半戦を終えて首位と絶好調です。
「去年はファーム(2軍)にいることも多くて、若い選手たちが活躍しているのが本当にうれしいです」
カナダからファイターズを応援しています。
特に注目している選手は、前半戦6勝負けなしの達孝太投手(21)を挙げました。
「タツとはファームで仲良くなりました。活躍を見ていてうれしいですね。彼がオフシーズンにアリゾナへトレーニングに来た時にLINEでやり取りしていました。ファームでの練習とは別に、自分で違うジムに通っているんです。努力を重ねて、ここまで来ているんですよ」
北海道で結婚し新天地トロントへ 「トリトンに行きたい…」加藤さんを唸らせた北海道グルメ
加藤さんは、2023年のファイターズ所属時代に結婚。現在は奥様とともに、トロントで生活しています。
「北海道で暮らしてきた奥さんがなじめるか不安だったのですが、めちゃくちゃ馴染んでくれてうれしいです。遠征のサポートにも来てくれます」
新天地でも充実した結婚生活を送っているようです。
北海道で恋しいものはと聞くと、「トリトンが食べたいです!」と即答。北海道の人気回転寿司チェーン店の名前を挙げました。
「毎回、マグロ、鉄火巻き、ネギトロ、この3つのローテーションです」
トリトンへの愛を語る姿に、北海道愛があふれていました。