連日の猛暑は、夏の食卓にうれしい「夏野菜」の価格高騰にもつながっています。トマト農家では、高温により出荷にも影響が出ていて、頭を悩ませています。
■夏野菜なのに…なぜ旬の夏に高騰?
7月24日、愛知県瀬戸市のスーパーに行ってみると、トマトが1個171円、キュウリが3本214円など、この時季の食卓に嬉しい爽やかな夏野菜が、4月に比べて最大1.5倍ほど値上がりしています。

新鮮市場いせやの福丸明男代表:
「市場の方の入荷量が若干減ってきております。6月から暑い状態が続いておりますので、猛暑・雨不足の影響は、今回の高値の原因だと思っております」
連日肌で感じる「猛暑」と、異例の「短い梅雨」が、野菜の価格を直撃しています。
客:
「今日はナスとトマト(を買いに)。やっぱりちょっと上がっているよね」
別の客:
「この先もっと暑くなったら今よりも高くなるかなと思って、ちょっと心配ね」
良いものをお値打ちに提供したい店にとっても、悩ましい事態です。

福丸代表:
「去年の冬の最高値の時期に比べたら、まだお値打ちで。今後の見通しですが、現状の値段のまま、この後も推移していくのではないかなと予想しております」
冷やしても生で食べてもおいしいトマトは、農林水産省によると、1キロ当たりの卸売価格は472円と、平年値より118円も高くなっています。
■形や味にも変化が…トマト農家悩ませる「焼果」とは
いったい、トマトに何が起きているのでしょうか?名古屋市中川区のトマト農家を訪ねると、ミニトマトの形が長細くなっています。
ハウス内の適正温度は25℃ですが、梅雨明けから日中は毎日40℃を上回ってしまい、本来丸い品種のトマトが、イチゴのように長細くなる「高温障害」を起こしているといいます。

ほかにも…。
飯田農園の飯田実さん:
「本来であれば、全体が真っ赤になるのが普通なんですけど。赤い部分と黄色い部分が混ざってしまって」
直射日光による「焼果」と呼ばれる現象で、100キロから200キロほどの出荷を断念しました。

また、この暑さで通常より多く水をまくため、水分量が多くなり糖度が下がってしまうそうです。
実際に食べ比べてみると、通常のトマトは実がしまっていて甘みが詰まっているのに対し、焼果のトマトはやわらかく味の薄さを感じました。
「猛暑の夏」のトマト、今後の価格はどうなるのでしょうか。
飯田さん:
「着果不良といって花が落ちてしまっているので、1カ月から1か月半後に収穫量がガクッと落ちてしまう。8月後半ぐらいからトマトの値段がまた一気に上がってしまうんじゃないかなと思います」
(東海テレビ)