8月に退任する陸上自衛隊トップの森下陸幕長が24日、最後の定例記者会見に臨み、「自分がなすべきことは十分なし遂げた」と振り返りつつ、在任中に起きた隊員の死亡事故に触れ、「非常に痛恨の極みだ」と言葉を詰まらせた。
記者会見で森下陸幕長は、南西防衛体制の強化に向けて在任中に手がけた地対艦ミサイル連隊や水陸機動連隊、海上輸送群の新編などを振り返り、「スタンドオフ防衛能力の強化で新配備される部隊、装備をしっかりと運用できるように人を育て、部隊を育てて準備を進めてきた」と強調した。
一方、陸幕長就任後に、沖縄県の宮古島沖でのヘリコプター墜落事故や、岐阜県の射撃場での自衛官候補生の発砲事件などが起きていて、会見では言葉を詰まらせつつ、「かけがえのない隊員を失う事故などが続き、非常に痛恨の極みだ」と語った。
また、「しっかりとした精強な陸上自衛隊を作る上で、一番やってはいけないことを繰り返したのは非常に残念な結果だった」と述べた。
森下陸幕長は、「2年4カ月を費やして、陸上自衛隊の精強化に尽力できた。自分がなすべきことは十分なし遂げた」と総括し、「後任者には同じ問題意識を持って、実現してもらいたい」と求めた。
後任の陸幕長には、西部方面総監の荒井正芳陸将が8月1日付で就任する。