石破首相は24日、アメリカとの関税交渉を終えて帰国した赤沢経済再生相から報告を受けた後、記者団の取材に応じ、合意内容の日米両国の発表について「齟齬(そご)はない」と強調した。
石破首相は、官邸を訪れた赤沢経済再生相と面会し、林官房長官とともに、日米間の合意の内容について報告を受けた。
その後、記者団の取材に応じた石破首相は、今回の合意について、赤沢経済再生相や官民の関係者の「色々な力添えのおかげであった」として、「赤沢大臣、力を尽くしてくれた多くの方々に、心からの感謝を述べた」と明かした。
その上で、「私と大統領との間でこの合意を確実に実施をしていくということが重要だ」と語った。
また、記者団からは改めて進退についても問われたが、石破首相は、「今回の合意が着実に実施をされること、合意を受けて国内の事業者、関連産業に働いている方々の不安を払拭するように、引き続き全力を尽くしていく」と述べた。
一方、今回の合意を巡り、アメリカ側の発表で、日本が防衛装備品の購入を拡大することや、コメの輸入を75%増やすことなどが明らかにされていることについて、石破首相は、「防衛装備品およびコメ輸入について日米に齟齬はない」と述べるとともに、「農業を犠牲にするようなことは全く考えていない」と強調した。
コメの輸入拡大の発表を巡り、赤沢経済再生相は、帰国直後の取材で「主食に用いることができるコメの割合を増やすことが考えられる」と述べたが、石破首相への報告後、改めて記者団の取材に応じた際には、「選択肢としてあり得る」という意図だったと説明した。
さらに赤沢経済再生相は、「制度を運用している農水省が、小泉農水相の指導のもと、よく与党と協議しながら決めていくということだ」と述べ、主食用のコメを前提とした合意はしていないとの考えを示した。