全国的に自民党に逆風が吹き荒れ、与党が過半数割れした今回の参議院選挙。
岩手県内の結果について解説します。
(解説:選挙担当・井上智晶アナウンサー)

岩手選挙区は立憲民主党の現職・横沢高徳氏と、自民党の元議員・平野達男氏の2度目の対決となりましたが、接戦だった6年前とは一転、今回は大差で横沢氏が勝利しました。

では市町村ごとに横沢氏と平野氏がどちらが勝利したか、6年前と今回の違いを見ていきます。

横沢氏が勝った市町村を青、平野氏を赤で示した地図を見ると、6年前は平野氏が県北、沿岸など24市町村を制しましたが、北上川流域の9つの市と町を制した横沢氏が1万5000票差で勝利しました。

今回はというと、平野氏が制したのは7市町村にとどまり、26市町村を制した横沢氏が約10万票の差で勝利しました。

続いて得票率を見ていきます。
横沢氏の得票率は6年前が49%、今回が48.3%と実はほぼ同じ水準です。
一方、平野さんの得票率は6年前が46.3%だったのに対し、今回は31.1%に落ち込みました。

ここで注目されるのが参政党の及川氏です。18.5%の票を獲得しています。
平野陣営は政治とカネの問題など、自民党に強い逆風が吹き荒れる中、厳しい戦いを強いられ、票が参政党の及川氏に流れたことが見て取れます。

一方、横沢氏は安定した戦いを展開したわけですが、その勝因の一つが、事実上の野党連携です。

国民民主党が県内での候補擁立を見送り、立憲と国民民主、共産、社民が、事実上の「共闘態勢」を構築したことで、盤石な戦いを展開しました。

また、陣営では今回初めて農政連と県漁連から推薦を受けたことも大きな力になったとしています。

そして今回は全国的に参政党が躍進しました。
及川氏は盛岡市で約2万6000票、奥州市で1万票あまりなど、人口の多い市を中心に票を伸ばし、平野氏に肉薄。予想外とも言える戦いぶりを見せました。

岩手めんこいテレビ
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