今回の参院選は、岡山では自民党が議席を死守し、香川では18年ぶりに野党が議席を獲得しました。選挙結果と今後について政治担当の前川記者の解説です。

今回も2024年の衆院選に続いて「大きく揺らぐ」選挙となりました。岡山選挙区では、裏金問題に端を発し、逆風となった自民党が立憲民主党と大接戦を演じましたが、辛くも組織票を固めて参議院で9年間独占してきた選挙区の議席を死守しました。

ただ、得票は過去9年間で最も少なく、保守王国の岡山で集票につなげる組織力の弱体化がみられました。

一方、香川選挙区では、国民民主党が、逆風によって伸び悩む自民党を制し、野党として18年ぶりに議席を獲得しました。こうした自民党と主要野党の戦いに揺らぎをもたらした要因がありました。

投票率は岡山が54.18%と前回から6.95ポイント増加、香川は56.46%と7.24ポイント増加しました。投票率は全国で増加していて、生活に直結する物価高対策が最大の争点だったことから、有権者の関心が高まったとみられます。

それに加えて外国人への対応や憲法改正など保守的な主張をした参政党の存在が台風の目となりました。比例の投票先に参政党を選んだ人は、岡山で11.17%、香川で11.24%に上り、主要野党に匹敵する数字です。

FNNの出口調査では、20代から40代で選挙区の参政党候補に投票したのは岡山で4割前後、香川では2割前後となりました。これまでの政治に不満を持つ若い層が積極的に投票した結果、自民党や主要野党の得票にも影響を与えたと分析できます。

そして、今後の国政についてです。参議院でも衆議院に続き自民党、公明党の与党が過半数を割り込み少数となりました。法案を通す際も野党との連携が必要で政権運営はさらに不安定になります。物価高に加え、アメリカのトランプ大統領の関税政策にどう対応するか、また地方での人口減少対策や防災など課題は山積みです。国政は大きく揺らいでいますが、地方の声も聞きながら長期的な視野を持ち与野党間での建設的な議論が求められています。

岡山放送
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