被爆者が大切に保管してきた物を通して、原爆の被害をより身近に感じてもらおうという展示会が、長崎原爆資料館で開かれています。
7月16日から始まった「原爆資料館収蔵資料展」です。
2024年度、寄贈されたり新たな調査によって資料が持つエピソードがより鮮明になった日用品や写真、絵画など約140点が展示されています。
長崎市被爆継承課 学芸員 海老沢 優紀さん
「どうしても被爆後の凄惨な状況であったり、破壊された町がインパクトがあって印象付くところですが」
「(当時も)私たちと同じようにそれぞれ家族がいて、友達がいて、生活があってというところを見ていただきながら“自分事”として捉えていただけたらなと思います」
爆心直下の松山町にあった古書店を営んでいた男性の写真です。
本が大好きだったこと、原爆で妹を亡くしたことが紹介されています。
こちらは被爆当時3歳だった女の子が、焼け跡に父を探しに行くのに持っていた水筒です。
道中の惨状を思い出すとつらい気持ちなるものの、「こんな悲しい思いは私たちで最後に」との思いを込めて寄贈しました。
原爆が破壊した日々の暮らしや被爆者、遺族の思いに触れる収蔵資料展は長崎原爆資料館で2025年12月23日まで開かれています。