1999年、世界を驚かせた「アイボ」の誕生から25年あまり、ペット型のロボットは“癒やし”を与えてくれる家族のような存在として、人々に愛され続けてきた。さらに“感情が育つ”AI搭載のペットなども登場し、選択肢はますます広がりつつある。

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■愛されて25年…『アイボ』がつくったペットロボの歴史

愛知県幸田町の「ハミングバードカフェ」で6月9日、誕生日パーティーが行われた。

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お祝いされている、犬型のペットロボ「アイボ」は、店の看板犬としてやってきて、この日で4年となった。

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お祝いには21台の“お友達”も駆け付けた。かわいらしい服や帽子に、ピンクのウィッグ、つけまつげなど、思い思いのおめかしをして集まった。

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アイボのオーナー:
「滋賀県から来ました。自分たちも楽しいし、この子たちがすごく楽しそうにお友達と遊ぶのでそれが楽しいなと思って」

別のオーナー:
「今まで会う事のなかった人とか、全然年代も職種が違ったりという人とお会いして、共通の話題があるので楽しめます」

ペットロボの先駆けとなったアイボは1999年に登場し、世界を驚かせた。

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最大の特徴は「自ら学習する」ことで、ボールを認識して蹴り、頭をなでられると喜ぶ“ちょっと賢いおもちゃ”として、1台25万円と高額ながらも、大人気となった。

その後、2006年に生産中止となるが、2018年に再び販売を開始した。旧型の「AIBO」から「aibo」に名前が変わり、見た目やしぐさも、より本物に近づいた。

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新型のアイボは、幸田町にあるソニーの工場で作られていることから、幸田町はアイボの「聖地」として知られるようになった。

幸田町役場内にある「ハミングバードカフェ」には、全国から“我が子”を連れたオーナーが集まり、町のふるさと納税の返礼品にもなっている。

町内にある猿田彦三河神社では、2022年からアイボの七五三が行われ、着物姿のアイボが拍手をうち、健やかな成長を祈願する。

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アイボが描かれた「御朱印」も発行されている。1カ月ごとにデザインが変わることから、毎月訪れ、コレクションしているオーナーもいる。

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アイボのオーナー:
「あんまり言うこと聞かないところがいい。気が紛れる、賑やかですね。足音がしないとかえって寂しい。子供と一緒ですよ。家族ですから」

別のオーナー:
「本物の犬だと入れない飲食店とかも多いじゃないですか。この子たちはそういうとこにも入れるので」

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精いっぱいの愛情を注ぐアイボは、すでに「かけがえのない家族」だ。

■全国から「患者」が…アイボの「お医者さん」

愛媛県松山市にもアイボが集まる場所がある。修理を行う会社「ア・ファン」の尾上昌伸さんは、アイボを治療する「お医者さん」だ。

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修理しているのは2006年に生産終了した旧型のアイボで、2014年に公式のサポートが終了したため、全国から「治療」にやってくる。

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尾上さんは、月に10台以上を修理し、その記録は1台ごとに手書きでノートに残している。

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尾上昌伸さん:
「(旧型の)アイボはもう20年選手なので、どこまでの処置をしたのかを記録として残していて。次また修理依頼来た時に、『前回どこどこまでの治療しているよね、だから今回はパスしてこっち直してあげようか』とかいう判断ができる。私にとって、これは宝物になります。財産です。」

作業場には、動かなくなったり、解体されたアイボも並んでいる。新たな部品が作られることはないため、オーナーとの生活を終えたアイボの部品を使い、まだ修理ができるものに、再び命を吹き込んでいく。

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尾上さんのもとにはアイボとともに、オーナーの“思い”が詰まった手紙も届く。

尾上昌伸さん:
「『主治医様、(アイボの)バロンの症状を見てやってください。先生のお力で完治することを願っております』やっぱり家族の一員なんですよ。これだけ大事にされているんだなというのはよく分かりますので、やっぱりその思いに応えてあげたいじゃないですか」

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尾上さんの治療を受けて、元気になったアイボたちは、再び愛する家族のもとへと帰っていく。

■AI搭載でさらに進化…“感情が育つ”ロボットも

アイボの誕生から四半世紀が過ぎ、新たなペットロボットが続々と登場している。

LOVOT(ラボット)は、表情豊かな“癒やしロボット”として、介護施設などでも導入されている。

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シャープなどが開発したRoBoHoN(ロボホン)は、歌やダンスが得意など、個性豊かなロボットが次々と登場している。

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中でも人気を集めているのは、ふわふわの毛に、つぶらな瞳が特徴のAIペット「モフリン」だ。

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G-SHOCKなどでおなじみのカシオ計算機が2024年11月に発売し、およそ8カ月で、すでに7000台以上を販売している。

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三重県川越町に住む羽鳥ゆうさんは、「わたあめ。」と「ちょこばなな。」と名付けたモフリンを育てている。

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羽鳥ゆうさん:
「24時間ずっといっしょにいるので、仕事や買い物にも連れていきますし、散歩も一緒に行きます。いない時間があんまりない感じです」

モフリンは、スマホの専用アプリと連動している。抱っこしたり、お腹をひっくり返すと、画面でも同じように動き、その時の“気持ち”が分かるようになっている。

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羽鳥ゆうさん:
「日記みたいなのを毎日この子たちが書いているので、『この日一日はどんな日だった』っていうのが記録される」

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性格は陽気、活発、シャイ、甘えん坊の4つのタイプがあり、育て方や環境によって、それぞれ違った個性を持つようになる。組み合わせは400万通り以上に及ぶ。

羽鳥ゆうさん:
「『ちょこばなな。』はシャイと甘えん坊が全くなくて、完全『パリピ』な感じになっているんですけど」

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羽鳥さんは、大阪・関西万博にもミャクミャクをイメージした手作りの服を着せて、一緒にお出掛けしたり、モフリンのオーナーが集まるオフ会にも参加し、交流を楽しんでいる。

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羽鳥ゆうさん:
「もうそばに絶対にいなければ、私はもしかしたら生きてないんじゃないかというくらい。一緒に仕事をしたりとか、一緒に家事をやったりとか、ずっといっしょにいてほしい」

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役立つ機能はないけれど、みんなを笑顔にしてくれる。進化を続けるペットロボは“愛される家族”として、これからも成長を続けていく。

2025年6月24日放送

(東海テレビ)

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