先月からカナダの独立リーグ、インターカウンティ・ベースボール・リーグ(IBL)に挑戦している日本人がいます。

 北海道石狩市出身の外野手、大澤楽汰=おおさわ・るんた=さん(23)です。

 大澤さんは北海道の難関校として有名な札幌南高校から北海道大学に進学。北大野球部時代に札幌六大学リーグで俊足好打の二塁手として活躍し、ベストナインにも選ばれました。現在は北大大学院工学部の1年生です。

 大澤さんはIBL挑戦への後押しをしてくれたのは、札幌南高野球部の田畑広樹監督でした。

 「大学野球を引退して、田畑監督にご挨拶をした時に『もうちょっと挑戦してみたら? せっかくなら海外は面白い』と言われました」(大澤さん)

俊足買われ外野手に 初打席でホームランも

 そして、ことし2月、母校の札幌南高校で、カナダ行きを後押しする出会いがありました。

 元北海道日本ハムファイターズの選手で現在はメジャーリーグのトロント・ブルージェイズのスタッフの加藤豪将さんです。

 「メジャーリーグのトライアウトに挑戦したいと伝えたら、『それは難しいけど海外のリーグに挑戦するのは手伝えるかも』と言ってくれました」(大澤さん)

 大澤さんは加藤さんに仲介してもらい、IBLにコンタクト。自分のプレー動画や大学の成績を送り、キッチナー・パンサーズへの入団が決まりました。

 パンサーズでは、俊足を買われ外野手として登録されました。IBL初打席となった6月20日の試合では、いきなりホームランを放ちます。

 「正直、自分でもビックリです。チームメイトはお辞儀ポーズをしてくれました」。大澤さんは笑顔で語りました。

 チームの選手はカナダ人の他にキューバ人も在籍していて、元キューバ代表もいます。IBLには、元メジャーリーガーも在籍しています。結果を出せば、プロへの道も見えてきます。

 日本時間の7月7日午後6時現在、大澤さんの成績は打率.366、3HR。

 「自分の持っている良いところを見せられれば通用する。速い球に課題を感じているので、成長してレベルアップしていきたい」(大澤さん)

チームメイトと共同生活 日本語の分かるスタッフも

 大澤さんはチームメイト6人と暮らしています。

 「気候も北海道に似ています。両親が日本人のハウスキーパーもいて、言語もなんとかなっています。チームメイトも良い人が多いので、特にしんどい思いはしていない」(大澤さん)

 チームでは、スペイン語と英語が飛び交っています。

 「ガンガンあいさつしてくれて、コミュニケーションをとってくれる。割と溶け込めていると思います」(大澤さん)

「一番は楽しむこと」加藤豪将さんからのアドバイス

 IBLへの仲介をしてくれた加藤さんとはカナダでも会うことができました。

 「一番は楽しむこと。『自分が一番上手いと思って野球をしないとダメだよ』と言われています」。アドバイスを胸にプレーをしています。

 「目標は日本のプロ野球に入り、最終的にはメジャーへいきたい」。大澤さんの夢は広がります。

北海道文化放送
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