万博開幕からまもなく3カ月、今増えているのが会場内の落とし物です。
来場者が落とすもので多いのは?意外なものもランクインです。
■万博の“落とし物”
6月末、総来場者数が1000万人を超えるなど、連日にぎわいを見せる万博会場。
【来場者】「9時半すぎだと思うんですけど、たぶんそこで象印の魔法瓶…」
水筒をなくしたと申告する来場者。
ここは東ゲートを入ってすぐのところにある「忘れ物センター」です。
【東エリアチーフディレクター 高橋千晴さん】「ここが忘れ物が保管されている場所です。ここは大体3カ月保管されていまして、いろんなものが本当に届いています」
開幕から5月末までの落とし物は、およそ3万3200件。落とし物で多いのは、何なのでしょうか?
■万博の落とし物ランキング あのグッズが上位にランクイン
1位は「ハンカチ・タオル」です。
続いて2位は「帽子」。
3位は「傘」。さらに。
【東エリアチーフディレクター 高橋千晴さん】「これは全部、交通系IC」。
4位は「カード類」。会場内は現金が使えないため、カードで支払いを済ませたあとに、落としてしまう人が多いといいます。
そして、5位は何と「ミャクミャクのグッズ」。せっかくの万博の“主役”が屈辱のランクインです。
【東エリアチーフディレクター 高橋千晴さん】「せっかく購入されたものは、必ずお連れして帰って、ミャクミャクもお連れして帰っていただきたいです」
落とし物が多いのは万博会場だけではありません。
■落とし物は署員の残業の原因にも “全国初”大阪府警の取り組み
【記者リポート】「おー大量の袋があります」
大阪府内で、去年1年間で警察に届いた落とし物は、およそ440万件。
持ち主が判明しないまま3カ月経過したものなどは、「捨てるもの」、「個人情報に関するもの」など、全て手作業で仕分けます。作業が追い付かず、署員の残業が常態化しているのです。
【署員】「仕分ける労力はいりますし、かなり大変でした」
こうした状況を改善するため、大阪府警はことしから全国初の取り組みに乗り出しました。
落とし物を保管期限となる3カ月を目安に、民間業者に対して売却する取り組みです。
【株式会社エスポワール 森西秀明代表取締役社長】「かばんが出てきて、化粧品のセットがあるので、化粧品・日用品・ごみ」「出ました、入れ歯」
業者が仕分けを行うため、警察の業務負担が格段に減ることに。
【大阪府警察本部会計課(当時) 尾山和也さん】「合理化された時間を、落とされた方の調査に充てるなど、よりいっそう速やかな返還に注力したいと思っています」
■落とし物の返却率アップ AI導入で24時間問い合わせが可能に
毎日大量の落とし物が届く鉄道会社でも、画期的な取り組みが!
北大阪急行に乗った記者。残業続きで疲れる中…おっと、ポケットから何かが。落としてしまったのはハチエモンのキーホルダー。ドアが閉まり行ってしまいました。
幸いにも発見され、届けられると…何やら駅員が、カメラで読み込んでいます。
【駅員】「写真から自動生成というボタンを押しますと、AIが画像を解析して、何か分かる情報が打ち込まれる」
キーホルダーが“アヒルのぬいぐるみ”と認識されました。
これは北大阪急行が、去年から導入している「落とし物クラウドfind」。
駅員が、落とし物を撮影すると、AIが特徴を自動で登録してくれるのです。AIに登録された落とし物は、LINEで24時間問い合わせ可能で、駅に電話をする手間もなくなります。
北大阪急行では、AI導入前は落とし物の返還率が15%ほどだったのが、導入後は30%ほどまで上昇しました。
【北大阪急行電鉄 鉄道事業部鉄道統括課 成瀬勇さん】「いつでもお問い合わせができて、対応がスムーズにできるというところが、導入したことによるメリット」
増加する落とし物。まずはAIに頼ることなく、身の回りの忘れ物に注意しましょう。
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月7日放送)