西日本豪雨で甚大な被害が出た呉市天応地区では、災害の記憶を継承する公園が今年5月に完成しました。
現地から中継で伝えてもらいます。辰已さん!
【辰已キャスター】
呉市の天応地区にある天応西条公園からお伝えします。
現在も復旧工事が行われています。
西日本豪雨でこの地区では12人の方が亡くなりました。
公園の前を流れる「背戸の川」でも土石流が発生し、建物の被害は600件近くに上りました。
7年前の被害を受けて、いつ起きるか分からない自然災害に備える場所として、この公園は作られました。
高台にあるため地震や津波が起きた時の一時避難場所として使うことができます。
例えば、こちらー「かまどベンチ」といわれ、通常はベンチとして使われていますが、災害が起きた時には座るところの板を外すことで炊き出し用の”かまど”として利用できます。
足元を見ますと、「災害用トイレ」と書いてあります。
どのように使うのか?
このようなテントをたててマンホールトイレと呼ばれますが、便座やパネルがあって、下水道管につながるため仮設のトイレとして使用できます。
このマンホールトイレは公園の備蓄倉庫に保管されていて、倉庫にはほかにも自家用発電機などの非常用の物資も整えられています。
このように様々な設備が整った公園が作られたのは当時、この近くで避難する場所がなかったことが理由です。
災害の教訓や記憶を継承するため、新たな防災拠点が誕生しています。
以上、中継でした。
<スタジオ>
【コメンテーター:叡啓大学・早田吉伸教授】
「まずはこうやって整備されたことは大きな第一歩です。南海トラフもありますので、こういったものが高台にあるというのはすごく重要ですよね。その上でこうしたものを日頃から使いこなしていく。公園というのは、まさにそういう場所だと思います。そして、使いこなしていくためには、訓練をしていくとか、地域とコミュニティをうまく連携させるみたいなことが重要になってくると思います」