いよいよ明日=3日から始まる参議院議員選挙。
各地で猛暑日が続く中、関西でも今月20日の投票日まで17日間の戦いが幕を開けます。
今回の選挙で近畿で改選されるのは12議席。6年前の前回選挙では与党が7議席、野党が5議席でした。
この数字が今回の選挙でどう変わるのか、国の未来を占うターニングポイントとなります。
番組では橋下徹氏と安藤優子氏に今回の選挙を一言で表現してもらいました。
橋下氏は「事実上の政権選択選挙」、安藤氏は「経済だよ!バカモン選挙」と題しました。
■安藤優子「経済だよ、バカもん選挙」
【安藤優子氏】「これは古い話で恐縮ですが、アメリカの大統領選挙でクリントンさんが民主党から出た時、対するはブッシュ(父)大統領でした。ブッシュ大統領は湾岸戦争の地上戦で4日間で見事な勝利を上げてブイブイ言っていました。
その反面、アメリカの経済がものすごく落ち込んでいました。
そこでクリントンさんは『経済だよ、バカもん』というスローガンを掲げて戦って勝ったのです」
安藤氏は「今回の選挙も『経済だよ!バカモン』」と強調し、「政治家・個々の政党にとっては、”きょうの物価高対策”よりも、『今後どうしたらいいか』という高い次元のビジョンが大切だと思いますが、『いまは経済なんじゃない?』という選挙になるのでは」と語りました。
■橋下徹氏「事実上の政権選択選挙」
「事実上の政権選択選挙」と題した橋下氏は、次のように説明しました。
【橋下徹氏】「現在、衆議院は与党が過半数割れしています。今回の国会で国民の皆さんが感じたのは、『あれ、自民党・公明党が言っているだけでは通らないんだ』ということ。野党が色々口出しをして修正になることを感じたと思います。でも野党が国会終盤戦に出したガソリン税引き下げ法案が、参議院での採決拒否で法律にならなかったんです。
今回、参議院でも与党が過半数割れすると、いよいよ修正だけじゃなく、野党が出してくる法案が通ってくる可能性がある。
その重要な法案の1つが、消費税の税率を下げる法案。野党は消費税の税率を下げようと言っていますが、自民党・公明党が反対している。参議院選挙で野党が過半数を取れば消費税の税率を下げることが実現できるかもしれない」
■視聴者アンケートでも「物価高対策」が最大の関心事
番組では視聴者にアンケート調査を実施しました。最も関心がある争点として「物価高対策」が40%でトップとなり、次いで「社会保障」(18%)、「外交・安全保障」(9%)と続きました。
安藤氏は「長いビジョンを示すのは政党としての責任だと思います。しかし、目の前のこの物価高をどうしてくれるんだという声にどこまで現実的に答えられるかという意味で『経済だよ、バカもん』なのです」と改めて説明しました。
橋下氏も「トランプ大統領が、なぜあれだけ支持を集めるかというと、政治評論家やコメンテーター、学者は国家観や将来のビジョンを語りますが、多くの国民は目の前の生活のことを気にしています。国会議員が物価高対策に鈍感なのは、金が有り余るほど持っているから。領収書出さなくても、使い放題、飲み放題、食い放題の金が何千万円単位であるから、この1000円、2000円の物価高に鈍感だと思います。高い次元の話よりもまず目の前の政策が重要です」と指摘しました。
■社会保障料の負担軽減が賃上げの鍵?
物価高対策として安藤氏は「社会保険料の負担を下げる」べきだと提案しました。
【安藤優子氏】「社会保険料の負担が重くのしかかっています。中小企業は賃上げしたくても、会社が半分負担する社会保険料が大きくのしかかってくると、そんな余裕はどこにもありません。賃上げするためにも社会保険料の負担分を少し下げていただくのが遠くて近い道ではないかと思います」
橋下氏は「応能負担」(所得や資産に応じた負担)の必要性を強調しました。
【橋下徹氏】「予算の改革は言うのは簡単ですが、やろうとすれば結局、持っている人に負担してもらう必要があります。特に高齢者や資産、金融資産を持っている人に負担してもらうのが第一だと思います。
所得の高い人、資産のある人まで無償化するのは、バラマキに取られてしまうのではないか。すべての制度について、持っている人には負担してもらう」
安藤氏も「社会保障の制度設計は高齢者を中心にされてきた経緯があります。選挙に積極的に行くのは高齢者なので、そういう『大票田』も意識して優遇するような制度設計が行われてきました。だからこそ、教育無償化など現役世代の負担軽減の議論が起きてきたんだと思います。橋下さんのお話を聞いていると、持続性を持たせるためには『応能負担』、つまり制度設計を見直す必要があると思います」と同調しました。
明日から始まる参議院選挙。有権者ひとりひとりの一票が日本の未来を左右する重要な選挙となりそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2025年7月2日放送)