与野党8党首がガッチリ握手。参議院選挙の公示が3日に迫る中、2日午後、日本記者クラブ主催の「党首討論会」が開かれた。まず各党党首が選挙での“一番訴えたい一言”を発表し、続いて行われた「指名討論」では石破総裁に質問が集中した。

各党首が“一番訴えたい一言”発表

各党党首はまず、この選挙で“一番訴えたい一言”を書いたボードを掲げ、重視する政策などを打ち出した。

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自民党 石破茂総裁:
「この国の将来に責任を持つ」。私どもはそういう訴えをしていきたいと思っています。強い経済、豊かな暮らし、そして揺るぎない安心な日本というものを責任を持って作りたいと思っています。GDP1000兆円。それを掲げます。

立憲民主党 野田佳彦代表:
「物価高からあなたを守り抜く」。特に食料品の消費税を現在8%でございますけれども、それを臨時時限的に0%とすると。ずっと値上げラッシュ続いています。ここに歯止めをかけるためには食料品ゼロ税率というのは有効な政策だと考えている。

日本維新の会 吉村洋文代表:
ズバリ「社会保険料を下げる改革」です。社会保険料が高すぎます。負担が大きすぎます。
当面の策として、食料品の消費税2年間ゼロ、ガソリンの暫定税率の廃止。これを掲げますが、本質は社会保険料です。社会保険料を下げる改革。これをやります。

公明党 斉藤鉄夫代表:
「物価高を乗り越える経済と社会保障の構築」を掲げました。
私たちはそのために減税も給付も行います。そして、しかしより本質的には、物価高を上回る賃金上昇です。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
「現役世代から豊かになろう。そして全世代へ」と書きました。
私たちは現役世代、つまり支える側の支える力、強く太くすることによって年金も増えるし高齢者も安心できる、そんな社会を作っていきたいと思います。そのためには手取りを増やす経済政策が必要です。

共産党 田村智子委員長:
「自公少数で消費税減税」。物価高騰から暮らしをどう守るのかが大争点になります。
今自民党政治を続けること自体が国民の暮らしを追い詰めてしまう。衆議院に続いて参議院でも自公を少数に追い込む、そのために共同にも力を尽くします。

れいわ新選組 山本太郎代表:
「物価高だけに矮小化するな」。物価高で苦しんでいるのは当然のことですけれども、問題は物価高だけではないということです。
大胆な経済政策が求められる。そのためには徹底した需要の喚起、消費税の廃止、それが実現するまでのつなぎの給付金10万円が必要です。

参政党 神谷宗幣代表:
「日本人ファースト」という言葉でまとめています。我々は国民の暮らしを守り、希望と夢を持てる日本を取り戻したいと考えています。
国内では減税と積極財政をしっかりやって、移民や外国人に頼らない、そういった国家運営を参政党が中心に皆さんに提言していきたい。

各党首同士が「指名討論」

続いて行われたのが、各党首同士の討論。
各党首が相手を選んで質問をするという「指名討論」形式だ。

国民民主の玉木代表は、自民党の石破総裁を指名し、自民党が掲げる“1人2万円の現金給付”の財源について質問した。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
石破総理に伺います。今、総理がやろうとしている現金の、言葉悪いと“バラマキ2万円”。

自民党 石破総裁:
バラマキというのは全くポイントもおかず重点化もしないのをバラマキというのであって、それは消費税の減税っていうのはある意味それに近いものだと私は思う。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
重点化するなら高所得者も含めて2万円を全員に配るのをやめたらどうですか?

“物価高対策”など各党から石破総裁に質問集中

各党からの質問は石破総裁に集中。

共産党 田村智子委員長:
GDP火2%へ軍事費だけが以上に突出する予算。まさに異常な大軍拡大予算です。

参政党 神谷宗幣代表:
石破総理に伺います、トランプ政権との外交をどのようにしようと、将来展望があるのか。

中でも多くの政党が掲げる“物価高対策”や“社会保障対策”について議論が交わされた。

日本維新の会 吉村洋文代表:
社会保障保険料を下げるということについて、総理の認識、社会保障の認識を聞きたい。

自民党 石破茂総裁:
どの部分で医療、年金、介護、子育て、水準を落とさずにそこの改革をできるかということについて、維新の会さんのみならず、多くの党との議論を進めながら改革を進めていかねばならない。

立憲・野田代表に石破総裁が質問「減税の財源どこに求めるか」

そして石破総裁は、“食料品の消費税ゼロ”を掲げる立憲民主党の野田代表にこう質問。

自民党 石破茂総裁:
野田代表にお尋ねをいたします。減税の財源をどこに求めるかということです。そしてまたそれはいつ実現をするというふうにお考えなのか。

立憲民主党 野田佳彦代表:
消費税の減税は税制改革を伴いますので4月1日からという実施であります。
財源についてお尋ねがありましたけど、基金の積み継ぎ、これが2月現在で7.8兆円ありました。ということで間違いなく財源は捻出できる、赤字国債は発行しなくても大丈夫ということです。

れいわ・山本代表が“米不足”を石破総裁に追及

れいわ新選組の山本代表は、社会問題化した“コメ不足”について石破総裁に質問を投げかけた。

れいわ新選組 山本太郎代表:
石破総理に。コメ問題です。5月になって小泉大臣が誕生したと。登場してきてもう「小泉よくやった」「万歳」みたいな感じで、かなり盛り上がった様子が特にワイドショーを中心に流れたと思うんですけど、これっておかしくないですか?って話なんですよ。

自民党 石破茂総裁:
昨日も会議で申し上げましたが米は増産に舵を切るということです。コストも下げなければなりません。コストも下げた。増産もした。輸出の努力もした。中山間地で水田を守ってきた。
そういう方に対する手当というものはきちんと納税者の皆様方にご負担をしてやってまいります。今の政策で誤った部分は直します。

れいわ新選組 山本太郎代表:
これまで国は農政というものをないがしろにしてきたと思います。

第27回参議院選挙は3日公示され、7月20日の投開票に向け17日間に及ぶ選挙戦の火ぶたが切られる。
(「イット!」7月2日放送より)