大阪・ミナミのいわゆる「グリ下」に通う少女に売春を仲介した罪に問われている男2人に大阪地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。
指示役とされる瀧本絵斗被告(26)には、懲役2年6カ月・執行猶予5年、罰金30万、ドライバー役などの新山隼士被告(21)には懲役1年6カ月・執行猶予4年、罰金20万円をそれぞれ言い渡しています。
その理由について大阪地裁は、「瀧本被告は指示役、新山被告はドライバー役などであり、売春を繰り返させる目的で児童に性的搾取を行い、利益のために児童をこういった被害にあわせたことは強く非難されるべき行為である」と指摘しました。
一方で、「瀧本被告に関しては反省していること、祖父が証人として出廷し、監督するとしたことなどを、新山被告に関しては初犯であり、反省していること、母親の監督があることなどを考慮した」などと説明しました。
瀧本被告は裁判が始まる前の関西テレビの独自取材に対し、「未成年と知らず、少女には仕事内容を伝えていた。無理やりではなく同意があった」という趣旨の説明をしたほか、こうした売春仲介グループがほかにもあると話していました。
■女子高校生に売春を仲介した罪に問われる
瀧本被告と新山被告は去年6月東北地方に連れて行った、当時16歳の女子高校生に対し、3人の客を紹介して、あわせて5万円で売春を仲介をした罪に問われていました。
また、瀧本被告は去年7月、すでに略式起訴された23歳の男性と共に、北陸地方で女子高校生(当時10代)に売春の仲介をしたなどの罪にも問われていました。
初公判で2人は起訴内容を認め、検察側は、2人は女子高校生が求める金額を稼がせるため、10日間で109人の客を仲介したと指摘し、「常習性があり、女性に肉体的・精神的な苦しみを与えた」として、瀧本被告に懲役2年6カ月、新山被告に懲役1年6カ月を求刑していました。
■「給料・内容理解して女の子もわかっていた 隙間なく働くと説明していた」
裁判が始まる前、瀧本被告は拘置所で関西テレビの独自取材に応じていました。
【瀧本絵斗被告】「反省はしている。同じことは絶対にしない。
瀧本被告はまず、反省の言葉を口にした一方、女子高校生が未成年だと知らなかったとしたうえで「同意を得ていた」と主張しました。
【瀧本絵斗被告】「無理やり連れて行ってるなら、全部すみませんとなるけど…」
そして女子高校生が警察に対し話していたという、「食事は1日1食で、朝から晩まで売春させられた。過酷な環境だった」ということについて聞くと、次のように述べていました。
【瀧本被告】「給料・内容を理解してもらったうえで、女の子もわかっていたし、隙間なく働くと説明していた」
■「他の大規模な売春グループでも行われている」
そして、同様の犯罪行為が「他の大規模な売春グループでも行われている」と明かしました。
【瀧本被告】「30人以上はいます。グループとしては、「援デリ」(=援助交際デリバリーヘルス)特化ですね。残りのメンバーは今も全然続けていると思いますよ」