長野県石油商業組合に加盟する複数のガソリンスタンドで店頭表示価格を事前調整したとされる問題で、第三者委員会からの調査報告書が発表されました。北信、佐久、上伊那支部では価格調整の連絡がされていたものと認められるとしています。また、組合本部の関わりについては、北信支部内の価格の上げ下げの情報は組合本部にも報告され、専務理事にも共有されていた、理事長も承知していたと考えられるとしています。

報告書によりますと、価格連絡について、北信支部においては、店頭表示価格の上げ下げを、支部及び支部内の地区において整備された連絡網等に従い、支部長から副支部長、地区長、ブロック長を通じて組合員及び非組合員の事業者に伝えるという形で価格調整の連絡がなされていたものと認められるとしています。

佐久支部においては、店頭表示価格の上げ下げを、支部及び支部内の地区において、 支部長から地区長、地区長から組合員及び非組合員の事業者に伝える形で価格調整の連絡がなされていたものと認められる。

上伊那支部においては、店頭表示価格の上げ下げを、支部及び支部内の地区において整備された連絡網等に従い、支部長からブロック長、ブロック長から組合員らに伝える形で価格調整の連絡がなされていたものと認められる。

その他の支部 (上小支部、中信支部、木曽支部、諏訪支部、飯田支部)では、一部の親しい事業者同士で不定期に価格に関する情報交換を行っていたことは認められるものの、具体的な店頭表示価格の上げ下げについての連絡が、少なくとも直近の時期において組織的に行われていたものと認めるには至らなかった。 ただ、以前の一時期には価格連絡等の調整が行われていたものの、役員の交代や組合員の代替わり、あるいは、安値事業者等の周辺環境の変化その他の事情により、徐々に自然消滅した可能性もあるとしています。

また、組合本部の関わりについては、北信支部内の価格の上げ下げの情報は組合本部にも報告され、専務理事にも共有されていた、理事長も承知していたと考えられるとしています。

組合は長年にわたって黙認して正さなかったものであって、本件価格制限行為は組合の組織ぐるみで行われていたものと評価せざるを得ないと指摘しています。

組合はマスコミの取材に対し、「青天の霹靂」「コンプライアンスに違反するようなことは一切ない」等とコメントしたと報道されていたが、組合は、少なくとも北信支部において価格連絡がなされていることについて、本組合本部も価格連絡を受けることによって認識し、黙認していたものであり、明らかに虚偽を述べていることになるとしています。

この点、疑いが持ち上がった段階で、長野県民を始めとする多くの消費者・顧客の
関心が高まっている状況下で、地域社会において活動する組織として、疑惑に対して
誠実な説明を行う必要があったが、そのような対応は全くなされていないとしています。

第三者委員会からの調査報告書を受け、長野県石油商業組合の高見澤秀茂理事長は次のようにコメントしています。

「第三者委員会から本日調査報告書を頂きました。 報告書に沿って今後の対応を進めたうえで長野県・県民の皆様に報告いたします。 長野県石油商業組合に関する内容結果を極めて重く深刻に受け止めております。 本件に関する個々の理解不足又、組合として組織としてのコンプライアンス遵守に対する指導力の欠如を深く反省しております。 今後は二度とこのような事態の発生無きよう組織を挙げて改革・改善に努めてまいる所存であります。元より本報告結果に真摯に対応し自浄作用を備えた公正透明な組織へと進する覚悟であり、何卒ご理解とご指導の程心よりお願い申し上げます。 消費者の皆様をはじめ多くの関係者に対し心よりお詫び申し上げる次第であります。 本当に申し訳ありませんでした」

一連の問題では、公正取引委員会もカルテルの疑いもあるとして、調査しています。

長野放送
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