不思議な方法でぶどうが長く楽しめると話題

旬を迎えているぶどう。今年も既にぶどう狩りを楽しんだ人も多いかもしれない。

そして、そんなぶどうをいつまでも美味しく楽しみたいと思いつつも、多くの人が保存方法に悩んでいるのではないだろうか。特に果物や野菜は萎びてしまったりと保存が難しい。

だが、ある一手間加えることで長く楽しむことができると話題になっているのだ。

それがこちら。

提供:ゆいぶー@なりーさん
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一見普通のぶどうのように見えるが、よくみると一粒だけ枝の先に刺さっているのだ。

これは「枝を斜めに切って一粒刺しておくと長く楽しめる」とSNSで話題になったことから、ゆいぶー@なりー(@yuiboo_05)さんが試してみた時の画像だ。

ゆいぶー@なりーさんは「これであってるのでしょうか?」と投稿していたが、1週間ぐらいで食べ切ってしまい、何も変化がなくおいしく食べられたそうだ。また、刺した一粒のぶどうも特に傷んでいなかったため食べたということだった。

一粒のぶどうの養分を吸って長持ちさせるということなのか、変わった保存方法だが、本当にこれでぶどうを長く楽しめるのだろうか? また他にも、長持ちさせる方法があったりするのだろうか?

岡山県で100年以上続く林農園の4代目であり、ぶどう栽培と品種改良を15年以上に渡って手掛けている林ぶどう研究所の林慎悟さんに話を聞いた。

「軸の乾燥防止といった意味合いが強いのかと思います」

ーーぶどう一粒を枝に刺すことで養分となり、長持ちするって本当?

私が知る限りは、そういった話は聞いたことがありません。あくまで軸の乾燥防止といった意味合いが強いのかと思います。


ーーこの保存方法をどう思う?

いま有効かは、実例を確認したり、聞いたりしたことがないので確実な事は言えませんが、切り花を長持ちさせるキャップなどで水分を供給することで果軸が長持ちすることは確認しています。

ただ、それが果実にどのような影響を及ぼしているかは、私は確認しておりませんので、長持ちするかは判然としないのですが、基本的に保存期間がそんなに長くないのであればそもそも低温保存で十分であり、単純にもったいないと感じます。

かなりの長期保存であればその有効性が判然としませんし、果実を刺しているところからカビ等が発生することも懸念されますので衛生的な観点からも、微妙な印象を受けました。
 

低温で乾燥しない環境に置くと長持ち

ーーでは、ぶどうを美味しく保管する方法を教えて

保存方法についてですが、基本的には低温で過湿にならないが乾燥しないような環境に置くことが、長持ちはします。

現状では、低温(凍らないぎりぎりで貯蔵する技術)で長期貯蔵が実際されていて、秋収穫のものが冬から春先までもたせることが可能になりつつあります。

一般家庭で消費者がということであれば、先ほどのポイントを踏まえて低温で保存することが理想です。

ーー購入後、おいしさが保たれる期間はどれくらいなの?

店頭に並んでいた期間がはっきりしていないので判断が難しいですが、収穫して品種にもよりますが、状態が良ければ1週間は十分持ちますし、品種によっては条件が良ければ1カ月くらいは保存可能だと思います。


ーー食べ頃やおいしいぶどうの見分け方を教えて

適熟のぶどうを収穫し、早めに食べることが一番おいしいと思います。

軸の鮮度が良く(最近は鮮度が良くても茶色くなっている品種もあるので軸の色は明言できません)着色品種はしっかり色が付き、緑のぶどうは黄色みがかかったようなものがおいしいぶどうの特徴になります。

冷蔵庫に入れる時は新聞紙などで包む

ーーおいしく食べるのに順番はあるの?

房の中で糖度差がありますので、自分の好みに合わせて順番に食べ進めていけば良いと思います。

軸の方が、1度くらい糖度が高いので、そのことを加味して食べていく事がぶどうをおいしく食べる上で、ポイントになるかと思います。

ーー1房全てを食べ切れない場合の有効な保存方法は?

過湿になるとカビが生えやすくなりますので、過湿になりすぎない乾燥しない環境でかつ低温保存が長持ちのポイントです。

ぶどうをそのまま冷蔵庫などに入れると早く傷んでしまうので、新聞紙などでくるんで保存してください。長期という意味では凍らせてアイスの実みたいに食べるのも違った食感を楽しめると思います。

 

ちなみに、今回話題になった方法について他のぶどう生産者にも話を聞くと、この投稿を見たようで「ぶどうの軸に水を入れたキャップをつける方法は以前からあるので、1粒つけるという方法は、家庭でも簡単にできる方法の1つだと思う。」と語った。
ともに、軸に水を入れたキャップをつける効果については知られているとしたものの、「軸に一粒刺す」効果については見解が分かれた。

ぶどう農家にとっての“常識”ではなかったようだが、一般的な長持ちさせるポイントは「乾燥しない環境でかつ低温保存」ということだった。
 

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