被爆体験者訴訟の控訴審が25日に福岡高裁で開かれ、今年10月にも裁判が結審する見通しとなりました。

高齢の原告は前回に続いてオンラインで裁判を傍聴しました。

この裁判は、長崎に原爆が投下されたときに国が定めた被爆地域の外にいた被爆体験者43人が県と長崎市に、被爆者と認めるよう求めているものです。

被爆体験者訴訟原告団 岩永千代子 団長
「(私たちは)小さくて弱い、沈んでいきそうな、沈没しそうな状況だが(被爆体験者問題)これを持って、世界に発信していくと証言していかなければならないと強く思う」

25日は3回目の口頭弁論が福岡高裁で開かれましたが、原告10人はオンラインで長崎市から裁判の様子を見守りました。

裁判で原告側は、被爆地域の外でも放射性物質を含む黒い雨やちりなどが降ったことを理由に、被爆体験者は法が定める「放射能の影響を受けるような事情の下にあった」と主張しています。

しかし、被告の県と市は25日の裁判で、地域外での残留放射線量は健康被害を生じさせないなどと反論しました。

原告弁護団 三宅弁護士
「また、ですね『3号(被爆者)』は健康被害だと言ってくる。(法に)書いてないことをね」

原告を支援する長崎大学 高辻俊宏 名誉教授(放射線生物物理学)
「測られた数値から考えて、あまり被爆していないと断じているということで、これは全く理に合わないと考えている(ので)」

原告側の弁護士によりますと、今後、双方が再度意見書などを交わした上で次回10月1日に結審する見通しだということです。

テレビ長崎
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