9年前、兵庫県加古川市で市立中学2年の女子生徒がいじめを苦に自殺し、遺族が市に損害賠償を求めていた裁判で、和解が成立しました。
加古川市立中学校で2016年、2年の女子生徒が自殺し、第三者委員会はいじめが自殺の原因と認定しました。
遺族は部活動の顧問らがいじめに関するメモを破棄するなど、学校側がいじめを把握していたのに適切な対応を怠ったとして、およそ7700万円の損害賠償を求める裁判を起こしていました。
遺族側の代理人弁護士によると、神戸地裁姫路支部が提示していた、「加古川市が遺族に対して、学校側の不適切な対応を謝罪した上で、解決金300万円を支払う」などの和解案を、遺族と市の双方が受け入れ、和解が成立したということです。
和解を受けて、女子生徒の両親は次のようにコメントしています。
【女子生徒の両親のコメントより】「「娘の自死から間もなく9年を迎えようとしています。
現在も自責と寂しさ、そして学校・加害者への怒りが私たちの胸を強く苦しくさせます。
加えて、加古川市から、この事件において『いじめを発見・認識できず法的責任はない』と主張され、二重・三重の苦しみを味わいました。
今回、裁判そのものは和解により終了させることになりましたが、娘の自死を防ぐことができたのではないかという思いはますます強くなるところです。
和解することとなっても、加古川市から謝罪されることとなったとしても、娘は帰ってはきませんし、これまでの対応に苦痛・屈辱を与えられたことや当時の教員らの怠慢を許すなどという気持ちにはおよそなりません」