大阪府の吉村知事は25日の定例会見で、大阪府泉佐野市議会で「赤ちゃんポスト」設置準備のための予算案が可決される見込み※であることについて聞かれ、「赤ちゃんの命を何とか救いたいという思いは同じです」と述べ、「協力したい」という意向を示す一方、「決して簡単なことでもないということは認識する必要があります」とも述べ、泉佐野市に対して「しっかり調査してもらいたい」と話しました。
※その後、泉佐野市議会で予算案は可決されました。
■吉村知事「赤ちゃんの命を何とか救いたいという思いは同じです」
吉村知事の発言は以下のようなものです。
【吉村知事】「赤ちゃんの命を何とか救いたいという思いは同じです。ですので、泉佐野でやられている取り組みの進捗ということも、今後しっかりと府としても必要な対応を検討していきたいと思います。
前提として、泉佐野の状況を確認する必要があると思いますし、まだ具体的な相談を受けている状況でもないというのが現状でもあります。泉佐野において、もうしばらくはしっかり事前の準備をされるのかなというふうに思います。
といいますのは、本格的にやるとすれば、大阪府の児童相談所が入らないとできません。大阪府の児童相談所が、いわゆる『法律上の新親権者』に(なり、)親権を持つことになりますので、そういった意味では、『赤ちゃんポスト』っていうのは、ポストに届けられてから、その先の方が大切です。決して簡単な話ではないんです」
■「賛否もあって、『内密出産』国も『推奨しない見解も」泉佐野市には「ぜひ検討深めて」
【吉村知事】「赤ちゃんを助けたい、命を助けたいっていうことは、最も重要なことなので、僕も基本的にはそういう思いでいます。
実は賛否もあって、『内密出産』で言ったら、『赤ちゃんポスト』の設置について、国も様々な見解も出しているところで、『推奨しない』というような見解も出しているところでもあります。
その中で泉佐野は一歩踏み出して、検討を深めるということだと思いますので、そのことについては、ぜひ検討深めていって、そして大阪府としても協力できることは協力したいと思います」
■「決して簡単なことでもないということは認識する必要」「しっかり調査をしてもらいたい」
【吉村知事】「ただこれは決して簡単なことでもないということは認識する必要があります。
そして児相がないと、そもそも対応もできないということにもなりますし、その最後の砦となるわけですけれども、『赤ちゃんポスト』の是非であったり、そういった様々な意見もある中で、しかもそれによってポストに預けられた後、どうするのかということ。
実はここがものすごく大切なところであり、重要なところですけれども、そういったことは実際あるとすれば大阪府がやるということにもなりますから。
まずは今、泉佐野において、まだ具体的な相談を受けてませんが、しっかりと調査調査費から調査費の予算がついたと思いますので、しっかり調査をしてもらいたいと思います」