日本の鶏肉輸入の7割を占めるブラジルで鳥インフルエンザにより鶏肉輸出が一時停止となった。鶏肉の値上がりで、安くておいしい唐揚げもピンチとなっている
ブラジル産輸出停止で鶏肉に値上げの波
熱々に揚がったジューシーな唐揚げ。しかし今、世界最大の産地ブラジルで鶏肉ショックが起き、影響が心配されている。

東京都内の唐揚げ専門店を取材すると…
店員:
こちら唐揚げです。

吉岡恵麻アナウンサー:
揚げたてをいただきます。かぶりつけばかぶりつくほど肉汁が溢れてきます。こんなにぷりぷりなやつ食べたことないです。初めて食べました。

東京・中央区にある「くにちゃんずキッチン」の唐揚げ定食(950円)で提供される鶏肉は、ブラジル産だ。唐揚げに最適な脂がのっていて、ジューシーなのが特徴だという。
来店客(50代):
昼から頑張ろうという気になる。おいしいです。
食卓のレギュラー選手・唐揚げを支えるブラジル産の鶏肉に、なぜ値上げの波が押し寄せているのか。

くにちゃんずキッチン・丸山邦夫さん:
3月、4月と比べると2kg160円(値上がり)。(2㎏入り)160円変わって(上がって)いる。週に(10kg入りを)5箱から6箱使う。そうすると大きい金額になる。

背景にあるのは、世界最大の鶏肉輸出国でもあるブラジルで起きた鶏肉ショックだ。
鳥インフルエンザが猛威を振るい、5月世界各国への輸出を一時停止する事態となった。影響は日本でもあった。輸入している鶏肉のうち7割がブラジル産だ。

くにちゃんずキッチン・丸山邦夫さん:
原価が上がると利益率が下がる。かといって価格に転嫁すると、お客さまだって給料が上がっているワケじゃないから足が遠のく。
ブラジル産の鶏肉ショックの影響で、スーパーセルシオ和田町店では、売り場に異変が起きていた。

取材班:
スーパーの鶏肉コーナーですが、国産と書いてあります。全て国産のようです。
セルシオジャパン・鶴田聡部長:
お客さまのニーズに応えられなくなってきて、ブラジル産は取り扱っていたが、今現在やめている。
国産も値上がり傾向に…タイ産を検討
以前は取り扱っていたブラジル産の値上がりが続いたため、値段が大きく変わらなくなった国産だけにした。しかし、その国産も値上がり傾向だという。

来店客:
鶏肉は安いから大量に買ってという感じだったが、今は「今日、安い」と思った時に買う。前より(手が)出しにくくなっている。
消費者の味方である、安くておいしい鶏肉はどこに行ってしまったのか。店は、ブラジル産に変わる産地の鶏肉を扱うことを検討しているという。
セルシオジャパン・鶴田聡部長:
今度、タイ産とか仕入れようかなと検討中。低単価で出せると思うので、販売していこうかと。

タイ産の鶏肉は国産に比べ、さっぱりとしつつも、柔らかさを兼ね備えているのが特徴だという。
こうした中、ブラジル政府は18日、鳥インフルエンザが国内の養鶏場からなくなったと宣言した。

セルシオジャパン・鶴田聡部長:
値段が見合うものがあれば、ブラジル産も販売していきたい。今現在(国産が)こんなに高騰してしまったので、また外国産に頼らざるを得ないと思っている。
輸入の再開は、いつになるのか。スーパーも心待ちにしている。
(「イット!」6月24日放送より)