6月23日、三菱UFJ銀行は、新潟支店に勤務していた60代の元男性行員が、2007年6月から2016年9月までの約9年間、顧客1人から現金約4000万円をだまし取っていたと発表しました。元行員は2024年8月の事案発覚時にはすでに定年退職をしていました。
元行員は、1995年から2021年2月までロビー案内係として新潟支店に勤務。2007年6月から2016年9月までの約9年間、個人顧客1人に対し、顧客の自宅などで架空の金融商品を提案し、複数回にわたり顧客から現金をだまし取ったほか、2020年7月には新潟支店名の押切印を捺印するなどして偽造した預り証書を交付し、正規の金融商品と偽り信用させました。被害総額は約4000万円に上ります。
三菱UFJ銀行は元行員が定年退職したあとの2024年8月に、この顧客から「お金はどうなったのか」という相談を受けたことで事案を把握。11月28日に刑事告訴し、新潟地検が今年6月23日付けで有印私文書偽造・同行使罪で起訴しました。
三菱UFJ銀行によりますと、元行員が犯行時に使った新潟支店名の押切印は管理職に使用権限があり、通常は施錠できるキーボックスなどに保管されていますが、繁忙期には管理職がこの押切印を机の上に置いたまま長時間離席をする場合もあり、元行員はこのタイミングで偽造した書類に捺印していたということです。
元行員は犯行を認めていて、被害金は銀行側がすでに全額補償しています。
三菱UFJ銀行は、再発防止に向け印鑑や金庫の運用ルールの徹底、本部によるモニタリング体制の強化などの対策を実施したとしています。