静岡・裾野市の公立小中学校で、学校への電話を民間コールセンターが受ける全国初の実証実験を開始した。欠席連絡や相談を教職員に代わり、横浜市のコールセンターが対応し、教師の業務時間を確保し、子どもへの指導時間を増やす狙いだ。
一方、保護者との直接対話の減少を懸念する声も上がった。
電話対応外部化…教師の負担軽減へ
学校への電話は、民間のコールセンターが対応する。そんな実証実験が静岡県の一部の小・中学校で始まっている。

背景にあるのは、先生たちの業務時間の問題だ。
全国初の実証実験が6月から行われているのは、静岡・裾野市にある公立の小・中学校だ。
学校に直接掛かってきた電話には教職員が対応するものの、次回以降はコールセンターにかけるよう案内している。

電話を受けるのは、横浜市にあるコールセンターだ。問い合わせ内容によっては、法律の専門家やカウンセラーなどが対応にあたり、電話だけでなくメールなどでも受け付けているという。

コールセンターには、これまでに欠席や遅刻の連絡や忘れ物に関する連絡のほか、熱中症対策を考えた服装の相談、面談の日程変更依頼、学校での子供の様子、お迎えについてなどが寄せられているという。
市の教育委員会はこの取り組みのメリットについて、こう考えている。
裾野市教育委員会 学校教育課指導主事・山本哲平さん:
保護者や地域の方からの色々な問い合わせに対して、より的確に対応できるところがメリット。また学校の先生たちが生み出された時間によって、子供たちとこれまで以上に密に連携をとって指導に当たれるのが良い点。
モンスターペアレンツ対応にも有効か
一方で不安材料としてあげたのが、教職員と保護者のコミュニケーションが減るという可能性だ。

この点については、「学校側から積極的かつ丁寧な対応を心がける必要がある」としている。
子育て世代からは、様々な声が聞かれた。
40代:
便利。(コールセンターは)思っていることは言いやすい。本心が話せるかな。
20代:
反対、めんどくさい。
20代:
(教職員以外の対応が)ちょっと怖い。大丈夫なのかなとか。モンスターペアレンツに対応しなくて済むってことに関しては良いのかな。

一部で問題視されているモンスターペアレンツと呼ばれる保護者らによる、過剰な要求への対応にも有効となりそうな取り組みだ。
2026年1月末まで行われ、その後全国の公立学校で導入するかどうかの判断材料になるという。
(「イット!」6月23日放送より)