秋田公立美術大学とアメリカの美術大学の学生が共同で制作したガラスアートの展覧会が秋田市で開かれていて、交流から生まれた作品が訪れた人たちを楽しませています。
秋田県の有形文化財に指定されている秋田市の旧松倉家住宅です。中に入ると目に飛び込んでくるのは、ガラス作品の数々。江戸から明治の暮らしを感じさせる空間を幻想的に彩っています。
旧松倉家住宅で今、秋田市の秋田公立美術大学とアメリカの美術大学「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」通称「リズディ」の学生たちによるガラスアートの展覧会が開かれています。
リズディの教員がかつて秋田公立美術大学で働いていた縁で、今回初めて学生同士の交流が実現。リズディの1年生から大学院生までの14人が6月6日から県内を訪れていて、秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻の学生と協力しながら作品の制作に取り組みました。
また、仙北市や由利本荘市、男鹿市などを巡って秋田の自然や文化に触れ、そこで得たインスピレーションを作品作りに生かしました。
今回は、空間全体を作品とする「インスタレーション」と呼ばれる手法を使った4点が展示されています。
『痕跡』と題した作品は、来場者が作品作りに加わることができます。
部屋に置かれたガラスの小石の中から好きなものを選び、隣の部屋の好きな場所に置くことで、その名の通り“痕跡を残すことができる”作品です。
また『息』と題した作品は、吹きガラスの技法で作った泡を部屋の至るところに配置することで家具や空間が呼吸をしているかのように表現し、かつてこの場所で暮らした人たちの存在を感じさせています。
約2週間にわたって共に制作に励んだ学生たち。互いの感性に触れた経験は、かけがえのないものになったようです。
秋田公立美術大学(4年)北山偲文さん:
「一人一人良さがしっかりあって、一人一人がいなかったらこういう作品ができなかったと思うし、本当に出会えてよかった仲間」
ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(4年)レイ・ワイントローブさん:
「本当に仲が良くなって、言葉を交わさなくても互いを理解して作品作りができた」
展覧会は6月28日まで開かれています。