嘘の報告書を提出するなどし、熊本県から補助金7835万円あまりをだまし取った罪に問われた八代市の養殖場経営者に実刑判決です。熊本地裁は23日「犯行は巧妙で悪質」などとして、懲役3年6カ月の判決を言い渡しました。
判決を受けたのは八代市郡築十二番町にある『北村養鯉場』の代表取締役、北村 和彦 被告(61)です。
判決などによりますと、北村被告は2020年から2021年にかけて、実際には完成していない養殖設備について嘘の完成報告書を提出するなどし、熊本県から補助金7835万円あまりをだまし取ったものです。
判決で熊本地裁の鈴木 和彦裁判官は「被害額は非常に高額で、会社の資金繰りに窮していた被告の犯行は巧妙で悪質」と指摘。
また、「被害額のうち2500万円が既に返納されているほか、所有する不動産の売却手続きが進められていて全額弁償も見込まれるが、現時点の被害弁償状況で刑の執行は猶予できない」として懲役3年6カ月の判決を言い渡しました。
判決を受け、熊本県は「弁護士などの意見を参考にして被害金の回収に取り組む」とコメントしています。